メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフが、2022年にウィリアムズから移ってきたジョージ・ラッセルが、メルセデスでの最初のシーズンに通算7回F1チャンピオンとなった実績を持つチームメートのルイス・ハミルトンを上回る成績を残したものの、それは重要なことではないと主張した。
■ハミルトンに35ポイントもの大差をつけたラッセル
24歳のイギリス人ドライバーであるラッセルは、メルセデスに貴重な1勝をもたらし、2022年シーズンをドライバーズランキング4位で終えている。
それに対し、ハミルトンはラッセルに35ポイントの差をつけられて6位という結果に終わってしまった。ハミルトンがドライバーズランキングでトップ5に入ることができなかったのは、2007年にF1デビューしてから初めてのことだ。
今年、ハミルトンを大きく上回るパフォーマンスを見せたラッセルは次のように語った。
「もしシーズンの初めにそう言われていたら、信じられないくらい誇りに思えて、うれしかっただろうね」
「結局のところ、十中八九、ルイス・ハミルトンより前でゴールすれば、多分F1チャンピオンになれるよ」
■タイトルに手が届かなければ関係ないとチーム代表
しかし、メルセデスを率いるヴォルフに言わせれば、今年はラッセルが37歳のハミルトンを破ったものの、そのことは「重要ではない」という。
「彼らはF1タイトルのためにレースをしていたわけではなかったからね」
そう語ったヴォルフは、次のように続けた。
「ブラジルを除けば、彼らは勝利さえ狙えなかった」
「彼らが2位、3位、4位、5位でフィニッシュしても、チームの誰にとっても重要なことだとは私は思わないよ」
■ハミルトンにとっては昨年の方が受け入れがたかった
ヴォルフはまた、今年の結果よりも、2021年のF1最終戦アブダビGPの最終ラップでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に敗れたことの方が、ハミルトンにとっては受け入れるのがより困難なことだったはずだと考えている。
「昨年はもっとひどかったよ」
「昨年の我々は奪われたんだ。今年は、我々が実力で負けてしまった。我々は通用しなかったんだ」
■来年はより高い目標に到達できるよう全力を尽くす
ヴォルフは、2022年シーズンをこういう結果で終えることになってしまった最大の理由は、メルセデスが今年から導入された新技術レギュレーションを「間違って解釈」したことだったとしている。
しかし、ヴォルフは、チームのモチベーションを再び高めるために敗北は「絶対に必要」なものだったと考えている。
「来年、タイトルを争える位置にまで立ち直れるかどうかはまったくわからない」
そう語った50歳のヴォルフは、次のように付け加えた。
「競争が激しいことを認める必要がある。しかし、目標を高く設定し、それに到達するために全力を尽くすつもりだ」