ランド・ノリス(マクラーレン)が2020年シーズン中にレッドブルと交渉していたことを認めた。
22歳のイギリス人ドライバーであるノリスが、非常に将来有望な若手ドライバーであることは誰もが認めるところだ。そのノリスはマクラーレンと2025年までの契約を結んでいる。
■レッドブルよりマクラーレンを選んでいたノリス
しかし、今週末に今季のF1第19戦アメリカGP(23日決勝)が開催されるオースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)でインタビューを受けたノリスは、2020年シーズン終盤にレッドブルから接触があったことを隠そうとはしなかった。
オースティンでレッドブルとの交渉はあったのか聞かれたノリスは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように答えた。
「もちろん、ほかの人たちと話すことは時々あるよ」
「僕はいつも、自分のキャリアにとって何がベストなのかを自問しているんだ。結局のところ、僕はF1チャンピオンになりたいからね。レッドブルとの話し合いはあったよ。彼らは何年もトップ3に入っているチームだしね」
「だけど、それは僕がマクラーレンに自信を持っていることを示すことになった。話し合いはしたけれど、自分の目標を達成するためにはマクラーレンの方がいいと思ったんだ」
結局、レッドブルはその後レーシングポイントのシートを失うことが明らかとなっていたセルジオ・ペレスと契約。ペレスは2021年こそチャンピオンとなったマックス・フェルスタッペンに大差をつけられてランキング4番手に留まったものの、今年はフェラーリのシャルル・ルクレールとともに最後までタイトル争いにからむ活躍を見せており、このままランキング2位でシーズンを終える可能性が高くなっている。
■トップチームたちとの差が広がった今季のマクラーレン
その一方で、2021年シーズンをランキング6位で終えていたノリスは、今季も現時点では7番手で、トップ3チームのドライバーたちに次ぐ位置をキープしている。しかし、上位ドライバーたちとのポイント差は昨年よりも大きく広がってしまっている。
ノリスは、今年導入された新たなF1技術ルールが自分たちにとって有利に働くだろうと期待していただけに、今年のマクラーレンが明らかに後退したことに失望していることを認めている。
「僕も毎週末表彰台に上がれるとは期待していなかったよ。だけど、僕たちの目標はトップチームに近づくことだったんだ」
「悔しいけど、それに関して僕にできることはあまりないよ。スポーツでは起こりうることさ」
「メルセデスも今年これほどつまずくとは思っていなかった。何度もF1チャンピオンになっていただけにね。この状況を最大限に活用することを学ばなければならないだけだよ」
■2025年までに結果を出せなければ言い訳はできない
ノリスは、マクラーレンには冬の間に「もっと多くのダウンフォース」を見つける必要があると語りつつ、2022年を通してチームが改善に苦労している理由はよくわからないという。
「この2年間、なぜ僕たちが思うように前進できなかったのか、もっと理解する必要があるよ」
「僕たちのマシンの哲学によるものなのか? 風洞のせいなのか? 新しいマシンが2024年と2025年に向けて僕たちを助けてくれると期待しているよ」
そう語ったノリスは次のように付け加えた。
「その後はもう言い訳ができなくなるということには、100パーセント同意するよ」
■2023年はチームリーダーとしての役割も担うことになるノリス
ノリスは、2023年にはダニエル・リカルドに代わって21歳のオーストラリア人ドライバーであるオスカー・ピアストリを新たなチームメートに迎えることになる。
ノリスも、来年からは自分がリーダーとしてチームを引っ張っていく立場になることがよくわかっている。
「間違いなく、これまでとは違う状況になるだろうね。初めて、僕はチーム内で一番若いドライバーでも、あるいは一番経験の浅いドライバーでもなくなるんだ」
「現在は両方のドライバーが多くをもたらしている。ダニエルはレッドブルやルノーでの経験を生かし、僕はマクラーレンで培った経験を生かしているからね」
そう語ったノリスは、次のように付け加えた。
「オスカーも彼の視点を持ち込むだろう。だけど、彼にはダニエルがほかのチームで得た経験はない。あるいは、マクラーレンでの僕の経験もね」。