ハースが2023年にはミック・シューマッハの後任として2019年までルノーのフルタイムドライバーを務めていたニコ・ヒュルケンベルグを起用する可能性が高くなってきているようだ。
■シューマッハとハースの決別はほぼ確定的?
7度F1王座についた伝説的ドライバーであるミハエル・シューマッハの息子に関しては、今季限りでハースのシートを失うことになるだろうとうわさされており、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーはシューマッハと2023年の契約を結ぶ可能性は「フィフティ・フィフティ」程度だと語っている。
さらに、23歳のシューマッハはフェラーリの育成アカデミーの支援も失ったものと考えられている。
イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』紙は、フェラーリのチーム代表であるマッティア・ビノットがシューマッハについて次のように語ったと報じている。
「我々は、彼にとって重要なのは今シーズンに向上することだと言った」
「我々は2、3レース中に彼と話し合い、彼の将来にとって何がベストなのかを決めるつもりだ」
■ドライバー決定には時間をかけられるとハース
そしてシュタイナーも、シューマッハの後任となる可能性があるドライバーを検討していることを隠そうとはしていない。
「実際のところ、我々には時間のプレッシャーが全くないんだ」
ドイツの放送局『RTL』にそう語り、2023年のドライバー確定にはもっと時間をかけていくと示唆したシュタイナーは次のように続けた。
「誰もが時間的なプレッシャーを抱えている。しかし、我々はそうではない。そして、それが自分たちのためにキープしておけるアドバンテージなんだ」
■リカルドの獲得には消極的なハース
一方、シュタイナーは、今季いっぱいでマクラーレンのシートを失うことが決まっているダニエル・リカルドの獲得に動くつもりはないようだ。リカルドがF1通算8勝をあげた実績を持つ即戦力ドライバーであるにもかかわらずだ。
「我々が求めているのは、チームをよりよくするためにドライバーに何ができるのかということなんだ」
「我々はどれだけのリスクを負うことができるのか? 最終的には、数学的に計算することができない直感に従うことになるだろう」
「ダニエルの状況においては、まず彼が何をしたいのかを決めなければならない。彼に何をしろと説得してもほとんど意味はないよ。だから、もし彼がそうしたいと思ったら、間違いなく我々に連絡してくるだろう」
そう語ったシュタイナーは次のように付け加えた。
「そうでなければ、彼は休みをとることにするよとか、何かそういうことを言うんじゃないかな」
■ファンはヒュルケンベルグとマグヌッセンがコンビを組むのを歓迎?
ともあれ、現時点でのハースの本命は、今季はアストンマーティンのリザーブドライバーを務めている35歳のドイツ人ドライバーであるヒュルケンベルグのようだ。
仮に来季ハースがヒュルケンベルグを起用することになれば、もちろんデンマーク出身ドライバーであるケビン・マグヌッセンとコンビを組むことになる。
しかし、ヒュルケンベルグとマグヌッセンは2017年のハンガリーGP決勝においてコース上でクラッシュしたことがきっかけで確執が生じたと言われている因縁の間柄だ。レース後にヒュルケンベルグがマグヌッセンに歩み寄って非難の言葉を浴びせた際に、マグヌッセンが「俺の●●をしゃぶれよ、ハニー」とやり返したのは有名な話だ。
そういう2人を組ませることにハースとしては不安を感じていないのだろうか?
そのことを尋ねられたシュタイナーは、微笑みを浮かべながら次のように答えた。
「私は、ファンはそれを喜ぶと思うよ」
シュタイナーは、「スーパーライセンスを持つほとんどのドライバー」が現在ハースの候補リストに載っていると語っているが、どうやらヒュルケンベルグがそのリストの上位にランクされているのは間違いないようだ。
シュタイナーは次のように付け加えた。
「ニコのようなドライバーは多くの経験を携えて来るよ」