フェラーリのレーシングディレクターを務めるローラン・メキーは、F1においてシーズン中に大規模なマシン開発が行われる時代は終わりを告げたと考えている。
これは、F1が厳しいバジェットキャップ(チーム予算上限)を導入したためだ。ちなみに、昨年は1億4500万ドル(約165億円)の予算上限を導入したが、今年はそれが1億4000万ドル(約159億円)に下げられることになっており、2023年にはそこからさらに500万ドル(約5億6800万円)が減額される予定だ。
とは言え、メキーもこれまでとは大きく異なる技術レギュレーションが適用されることから、2022年シーズン中にマシンのアップグレードを行うことになるのは確かだと認めている。
「昨年とは違ってくるだろうね。少なくとも、我々にとっては(2021年シーズン中の開発は)ほとんどゼロだったからね」
スペインの『Marca(マルカ)』にそう述べたメキーは次のように続けた。
「しかし、(バジェットキャップがなかった)2019年、あるいは2018年と比べれば、それらの年よりも少なくなると思う。あの頃はビッグチームがレースごとに新しいものを持ち込んでいたよ」
「我々の視点から見れば、支出制限がある中で大量のアップグレードを行うのは難しいだろう」
「本当の難しさは、ほかのチームの競争力のレベルにすべてがかかってくることだよ」
44歳のメキーはそう語ると、次のように付け加えた。
「だから、もしもシーズン序盤に大きな問題を抱えた場合には、2つか3つのアップグレードに金を使うことができる。 なんとかそれを直さなければならない。だから、新しいパーツを付け、古いものはゴミ箱に捨てる。そうやって直していくしかないよ」