レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、2021年のF1タイトル獲得に暗雲が漂い始めたことを認めた。
●【F1第19戦サンパウロGP】決勝レースのタイム結果、周回数、獲得ポイント
レッドブル・ホンダ陣営は、今季のF1第19戦サンパウロGPも1週間前に行われたメキシコGP同様自分たちにとって有利なレースになるだろうと予想していた。
ところが、ブラジルのインテルラゴス・サーキットで今季5基目のICE(内燃機関)を投入したルイス・ハミルトン(メルセデス)のマシンは金曜日の予選失格や決勝でのグリッド降格という不利をものともせず、圧倒的なスピードを発揮してみせた。
ブラジルでマックス・フェルスタッペンがさらにハミルトンとのポイント差を広げる可能性が高いと考えていただけに、まだリードしているとは言えハミルトンにブラジルで優勝を許し、14ポイント差にまで追い上げられてしまったのはレッドブル・ホンダにとっても大きな誤算であり、大きな痛手となったのは確かだ。
こうした中、マルコは母国オーストリアのテレビ局ORFの取材に対し、次のように答えた。
「私の記憶によれば、近年のメルセデスエンジンではこういうことは起きていなかった」
「それはハミルトンだけなんだ。ほかのマシンはどれも射程内に入っていたからね。メルセデスはシーズンのこの段階でこれを実現するという素晴らしい仕事をやってのけたよ」
マルコは、ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にも次のように語っている。
「ほかのドライバーはハミルトンよりもギアが1つ少ないようにさえ見えたよ」
「メルセデスは重要な段階へ来て、このロケットのような傑作を造ることに成功したんだ」
「今は戸惑っているし、ホンダのエンジニアに助けを求めたよ。だが、エンジンでそれを補うことはできないんだ」
そう語り、単にエンジンの問題だけでなく、ハミルトンの乗るメルセデスF1マシンのリアウイングがスピードに応じて過剰にたわんでいる可能性があると示唆したマルコは次のように付け加えた。
「こういう状況が続けば、F1タイトル獲得に向けてあまりいい状況ではなくなるよ」