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FIAのF1レースディレクターを名指しで批判したメルセデスF1チーム代表

2021年11月15日(月)19:26 pm

先週末に行われた今季のF1第19戦サンパウロGP決勝ではルイス・ハミルトンが勝利したものの、メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)はブラジルでは「すべてが我々に不利だった」と語り、怒りをあらわにした。

●【F1第19戦サンパウロGP】決勝レースのタイム結果、周回数、獲得ポイント

ランキングトップに立っているマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がハミルトンに19ポイント差をつけた状態で行われたサンパウロGPだったが、あらゆる意味でこの2人のF1タイトル争いがさらに激化したことを示すレースとなったと言ってもいいだろう。

サンパウロGPの舞台となるインテルラゴス・サーキットで、ハミルトンは通算5基目となるICE(内燃機関)を投入したことで5グリッド降格ペナルティを受けることが確定していた。

さらに金曜日に行われた予選でポールポジションを獲得したハミルトンだったが、その後DRSにルール違反が見つかったことで失格処分が下されてしまった。

一方、レッドブルのフェルスタッペンは、金曜日の予選のあとでハミルトンのF1マシンのリアウイングに触れるパルクフェルメ違反を犯したことで5万ユーロ(約650万円)の罰金を科せられたが、日曜日のレースでハミルトンとバトルした際にハミルトンをコース外に押し出したように見えたときにはペナルティを科せられることはなかった。

ハミルトンがレース終盤にフェルスタッペンをオーバーテイクしたとき、テレビカメラに向かって怒りをあらわにした理由を聞かれたヴォルフは、「あれはレースディレクターに対してのものだ」と語り、次のように続けた。

「このチームはこれまでもずっと団結してきた。だがこれらの裁定が我々をより一層団結させたんだ」

「あらゆることが我々にとって不利な状況だったが、それはルイスがこれまでの人生を通じて感じていたことだと思うし、今はチームが一体となってそれを一緒に感じているよ」

「我々は戦っていく。それが今、ガレージの中で我々が抱いている感情だよ」

ヴォルフはさらに、サンパウロGP決勝でフェルスタッペンがハミルトンをコース外に押し出した件が審議対象とならなかったことについても語気を強めながら次のように続けた。

「これをこのまま放置しておくわけにはいかないので、今後数日のうちにすべてを検討することになる。理解できない決定がなされているからね」

「レッドブルが3回連続でリアウイングの部品交換を認められたことを知ったばかりだ。文句を言うつもりはないが、FIAとともにこの問題を明確にしなければならない」

「汚れた洗濯物をしても役に立たないが、どこかに限界はあるはずだからね」

「マックスのディフェンスは限界を超えていたし、ペナルティに値するものだった。だが、あれをないものにしたのは氷山の一角に過ぎないよ。馬鹿げている」

しかし、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、こうしたヴォルフのコメントに対して次のようにやり返している。

「トトは一日中しゃべりたがるからね。しかし、我々はレースをしているのだろうか? あるいは幼稚園にいるのかな?」

ヴォルフが名指ししたFIA(国際自動車連盟)のF1レースディレクターであるマイケル・マシは、フェルスタッペンとハミルトンのインシデントを審議対象としなかったことについて、「レースをさせようという哲学」に基づいたものだったと次のように説明している。

「2台とも大きくふくらんだが、ポジションを失うことはなかった」

「正直なところ、フェルスタッペンに黒白旗(スポーツマン精神に反する行為を行ったドライバーに提示される旗)を出すことも考えたが、それはしないことにした」

2021年のF1も残すところあと3レースとなったが、F1タイトル争いが近年になく白熱してきており、レースディレクターのマシを始め、FIAからの委託を受けて各レースでレーススチュワード(競技委員)を務める者たちへのプレッシャーも大きくなっていくのは間違いなさそうだ。

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