マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、F1が本当に全23戦が組み込まれた2022年のカレンダーを発表することになるのかどうかはまだ分からないと考えている。
現時点では2022年のF1スケジュールはまだ正式発表されていない。しかし、リークされたドラフト版には245日の間に23レースを開催するという前代未聞のスケジュールが組まれている。
F1最高責任者のステファノ・ドメニカリもそうした厳しいスケジュールになることは否定せず、テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語っている。
「シーズン開始は3月中旬、終了は11月中旬となる」
だが、ドメニカリとF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)はまだ2022年のF1カレンダーの詳細を発表する準備はできていないようだ。これは、おそらく全22戦で戦うことになる2021年のスケジュールが確定したばかりのためだろう。
第20戦に延期されていたオーストラリアGPが正式にキャンセルされた後、F1はその代替レース開催実現に向けた調整を行っていた。そして、最近になってやっとカタールが今年のカレンダーに組み込まれたばかりだ。
「約束通り22レースのカレンダーを完成させることができて非常にうれしく思っている」
そう語った56歳のドメニカリは次のように付け加えた。
「すべてのファンがこの選手権の感動を存分に味わえるよう、柔軟に状況に対応することができるF1の能力を我々はすでにしっかりと証明している」
だが、複数のF1チームが2022年のドラフトカレンダーに満足していないことも明らかだ。今年よりも14日間短縮される期間に23ものレースが組み込まれることになればチームの負担が増大することは間違い。
こうした中、ザイドルは23レースを行うという2022年の計画についてまだコメントできる段階ではないと次のように語った。
「私としては、来年のカレンダーについては矛盾する情報もあるため、正式な連絡を待つことが重要だと思っている」
「私はそのことについてはあまり語るつもりはない。それはステファノの仕事だからね。だが、我々には来シーズンのカレンダーに何を求めるかという明確な立場がある」
ザイドルが、それほど長期に及ぶF1シーズンには何か落とし穴が潜んでいる可能性があると心配しているのは確かだ。
「我々の立場は変わってはいないよ。我々にとって理想的なカレンダーは20レースだ」
「15戦は固定イベントとし、残りの5回は新しい会場や市場を開拓するためにシーズンごとに変化させることも可能だろう」
そう語ったザイドルは、いくつかのチームにとって大きな問題となるのは“持続可能性”だと主張している。これほどに長く過酷なシーズンが続いていけば、ハードワークを強いられるチームスタッフやその家族たちのライフスタイルを維持することが困難になることは想像に難くないためだ。
「ステファノもこれらのことをすべて検証していると私は信じている」
「我々は彼を信頼しているし、彼が商業的利益と、このサーカスの一部であるメディアも含む関係者全員の利益との間に適切なバランスを見つけてくれると確信している」
ドメニカリにプレッシャーをかけるかのようにそう語ったザイドルは次のように付け加えた。
「ステファノやF1とはよい対話ができている。どのような計画となるのかを理解するには、カレンダーの発表を待つしかないよ」