元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、バルテリ・ボッタス(メルセデス)は先週末に行われたF1ロシアGPにおいてマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)による“洗脳”の犠牲になっていたのではないかと考えている。
メルセデスはロシアGPの舞台となったソチでボッタスのF1マシンに今季通算5基目となるエンジンコンポーネントを投入することを決断していた。
だが、これは同じくエンジンペナルティを受けてグリッド最後尾からスタートすることになるフェルスタッペンをボッタスに押さえ込ませてルイス・ハミルトン(メルセデス)のレースを有利に展開させるための作戦ではないかと考えた者も多かったようだ。
ところが、グリッド最後尾からスタートしたフェルスタッペンは順調に順位を上げていき、4周目には14番手を走行していたボッタスの背後に迫っていた。そして6周目に難なくボッタスをオーバーテイクしてしまったのだ。
ハミルトンのサポート役であるボッタスが、全く何の抵抗もせずにフェルスタッペンを前に出してしまったことに驚いたのはテレビを見ていたF1ファンだけではないようだ。
「ソチでのバルテリには驚かされたよ」
かつてマクラーレンやレッドブルで活躍した50歳のデビッド・クルサードはオーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』にそう語ると次のように続けた。
「彼はロシアではいつも速いんだ。しかし、ほとんどその姿を見ることはなかった」
「これは彼も、そしてセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)も、この選手権の結果に大きな影響を及ぼすことはないということを暗示しているのだと私は思うよ」
一方、かつてマクラーレンでアイルトン・セナのチームメートを務めていたことでも知られるベルガーは、ソチでフェルスタッペンがあれほど簡単にボッタスをオーバーテイクすることができた背景にはほかの要素もあったのではないかと考えている。
ベルガーは『f1-insider.com』に対し、フェルスタッペンがレース前にボッタスと会話をしていたのを目にしたが、それは今になってみれば“洗脳”のようなものだったのではないかと思うと次のように語った。
「それが、チャンピオンたちがやることなんだ」
「セナはレース前に毎回グリッド上のほかのドライバーたちのところに行き、自分の計画を伝えていた。そして、それはいつもうまくいっていたよ」