元F1ドライバーのラルフ・シューマッハと、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、バルテリ・ボッタスがシーズン終了前にメルセデスのシートを失う可能性があるという噂に対して疑問を呈した。
このほどイギリスの『Daily Mail(デイリー・メール)』が、メルセデスではボッタスのパフォーマンスに不満を抱えており、今シーズンの途中でメルセデスとの契約下にあるジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)と入れ替える可能性があると示唆する報道を行った。
『Daily Mail(デイリー・メール)』は、その記事の中でメルセデスのチーム関係者が次のように語ったとしている。
「ラッセルの(2020年の)バーレーンでの仕事ぶりを見て、彼には無理だということが一層はっきりとした」
だが、ほとんどの大手メディアはこの報道をあまり重視していないようだ。というのも、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフがこういうことを『Daily Mail(デイリー・メール)』に漏らすはずはないと考えられるためだ。
今回の『Daily Mail(デイリー・メール)』の記事は、イギリス出身ドライバーであるラッセルが現チャンピオンチームであるメルセデスで走ることに対する期待感ゆえのものだったのかもしれない。
ボッタスの母国フィンランドの『Iltalehti(イルタレティ)』は次のように報じている。
「誰もデイリー・メールの報道を真に受けてはいない」
かつてウィリアムズやトヨタで活躍したラルフ・シューマッハも、今シーズン途中でボッタスがメルセデスからお払い箱にされるようなことはないだろうと考えている。
「シーズンの途中でバルテリを入れ替えても意味がないよ」
母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように続けた。
「どう見ても彼にはハミルトンほどの強さはない。そんなドライバーはごくわずかだからね。しかし、イモラ(第2戦エミリア・ロマーニャGP)と比べれば、ポルトガル(第3戦)での彼は明らかに改善されていた。彼がポールをとったのは覚えているだろう」
「そのような結論を出すには、シーズンはまだ始まったばかりだ。それに、(ドライバーの)入れ替えは解決策よりも不安をチームにもたらすことになるだろう」
「ハミルトンもラッセルがチームメートになることを喜ばないと思うよ」
メルセデスの最大のライバルであるレッドブルを率いるホーナーも、ボッタスの噂に関しては眉に唾しながら聞いているようだ。
『Independent(インデペンデント)』紙に、ボッタスはまだ「クルマを非常に速く走らせることができる」と語ったホーナーは次のように続けている。
「こういう状況は常に起こるものだから今後の展開を見守りたいと思うが、バルテリはここ数年にわたってメルセデスのために素晴らしい仕事をしてきた」
「もしも彼らがシーズンの途中でバルテリとジョージを入れ替えるようなことがあれば、私は驚くだろうね」