メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフが、バーレーンで行われた2021年の公式プレシーズンテストではマシンに多くの燃料を搭載していたと認めた。
3日間の日程で行われた今年のプレシーズンテストだが、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが速さを見せた一方、メルセデスは信頼性の問題を抱えるとともにコース上でもあまりペースが上がらずに終わってしまった。
このことから、F1関係者の中には今年はレッドブル・ホンダがタイトル獲得最有力候補としてシーズンをスタートすることになるだろうと考えている者が多いようだ。
だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は先週、メルセデスはバーレーンでは手の内を見せていなかったに過ぎないと次のように語っていた。
「燃料搭載量に関してほかのチームと同じようにしなかったという事実は、彼らにはかなりの自信があるに違いないよ」
「彼らはまだかなりのことを隠していると我々は考えている」
マルコはその後さらに母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙にも次のように語っている。
「もしメルセデスが我々が推測している燃料搭載量で走っていたのであれば、彼らは我々とほぼ互角だということになる」
そして、ヴォルフはマルコのこうしたコメントを完全に否定することはなかった。
「過去数年にわたって我々が非常によいパフォーマンスを見せたことから、我々がまだクルマのスピードを隠しているのだと誰もが言っている」
母国オーストリアのテレビ局『ORF』にそう語ったヴォルフは次のように続けた。
「我々のチームは多くの燃料を使って作業したと思っているが、それでもマシンはコントロールが難しく、特に横風の中では不安定だった」
「どうやら、2年前のクルマのように、今年のマシンも少しばかり気難しいようだ。まだ我々はその挙動を解決することができていないんだ。やっかいなことにテストはほんの数日だったからね」
「我々は解決したい小さな問題をいくつか抱えている。だから、これまでの年よりもあまりうまく準備できていないよ」
そう述べたヴォルフは、ドイツのテレビ局『n-tv』にも次のように語っている。
「テストは想像していたようには行かなかったし、最初のレースは間違いなく簡単ではないだろう。しかし、だからといって、バーレーンやその後のレースにおいて、これまでよりもいい結果を出せないということではないよ」