アストンマーティンのチームオーナーであるローレンス・ストロールが、ルイス・ハミルトンと2022年の契約を結ぶことができる可能性があるのは「間違いなく魅力的」なことだと認めた。
2018年にフォース・インディアを買収してレーシングポイントというチーム名でF1活動を行っていたストロールだが、2020年にはイギリスの高級車メーカーであるアストンマーティンを買収。今年からレーシングポイントがアストンマーティンと名前を変えている。
さらに、カナダの大富豪であるストロールは、昨年限りでフェラーリのシートを失うことになったセバスチャン・ベッテルを獲得。今年はかつて4回F1チャンピオンとなったドライバーを軸としてアストンマーティンとしての最初のシーズンを戦うことになっている。
そのストロールは“バジェットキャップ”(F1チーム予算上限額)が導入される2021年以降は自分たちにも勝利のチャンスが生まれるはずだと考えている。
ストロールはF1での戦いをボクシングに例えながら『Independent(インデペンデント)』紙に次のように語った。
「このチームは大幅に少ないリソースで自分の体重以上のパンチを繰り出してきた。だから、同じ人数と同じ予算で戦うことになれば、F1タイトルが狙えない理由はないと心から信じているよ」
今季33歳のベッテルのチームメートを務めるのは2017年にウィリアムズでF1デビューし、父親であるローレンス・ストロールがフォース・インディアを買収したことで2019年からレーシングポイントで走ってきた22歳のランス・ストロールだ。
これまでに3度表彰台に上り、ポールポジションをとったことも1回あるランス・ストロールだが、父親の財力のおかげでF1にいられるに過ぎないと言われ続けてきたのも事実だ。
ローレンス・ストロールは、息子のランスは彼を批判する多くの“嫉妬深い人たち”の被害者に過ぎないと次のように語った。
「私は、彼は計り知れない才能の持ち主だと思っている。彼がF1世界選手権に相応しい力を持つことを示してきたのは疑いようもないことだ」
ローレンス・ストロールは、ベッテルがシルバーストンに本拠を構えるチームにチャンピオンとしてのメンタリティーを持ち込んでくれるはずだと考えている。だが、今後に向けてドライバー市場に目を向けることも忘れてはいないようだ。
そして、ローレンス・ストロールのレーダーにはすでにハミルトンの影も映ってきているのかもしれない。
ハミルトンとメルセデスは2月に入ってからやっと新契約を結んだことを明らかにしたが、その契約は1年間となっている。つまり、場合によっては2022年にアストンマーティンがハミルトンを獲得できる可能性もゼロではないわけだ。
「それは間違いなく魅力的だ」
「ルイスはどのクルマに乗っても素晴らしいし、どのチームだってイエスと言うはずだよ。だって彼は7回F1チャンピオンになったドライバーだからね」
そう語ったローレンス・ストロールは次のように付け加えた。
「だが今は今年のスタートを切ることにすごく集中しているところだよ」