ホンダが2021年を最後にF1活動から撤退することを発表したが、これに伴ってF1の将来を憂慮するような論調が世界のメディアを賑わせているようだ。
ロシアの『Match TV(マッチTV)』でF1解説者を務めるアレクセイ・ポポフは、「これ(ホンダの撤退)はF1全体にとって非常にまずいことだ。現状でも多くのメーカーが参戦しているわけではないからね。現在は4社(メルセデス、フェラーリ、ルノー、ホンダ)だが、あと1年半後には3社になってしまう」と語り、次のように付け加えている。
「どこか新たなメーカーが参戦する可能性は事実上ゼロだ」
ホンダはF1撤退を発表したプレスリリースの中で「自動車業界が100年に一度の大転換期に直面する中、最重要課題である環境への取り組みとして、持続可能な社会を実現するために“2050年カーボンニュートラルの実現”を目指す」ことが今回の決定の最大の理由だとしている。
これを受けて、フィンランドの『Iltalehti(イルタレティ)』は次のように書いている。
「ホンダの決定は、F1に中指を立てて見せたものだ」
イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』も次のように報じている。
「ホンダの決定はF1を動揺させた」
「ホンダは全てのレースから撤退するわけではない。つまり、ゼロ・エミッション(排出ゼロ)の達成を目標にするならば、F1は間違った方向へ進んでいるということだ」
実際のところ、ホンダはF1から撤退する一方で、アメリカのインディカー・シリーズとは契約を延長することを明らかにしている。
『Der Spiegel(シュピーゲル)』は次のように指摘している。
「ホンダの撤退はこのシリーズ(F1)が気候問題に関しては非常にまずい位置にいることを示すものだ」
また、ベルギーの通信社である『Sporza(スポルザ)』も次のように報じている。
「F1が自動車産業の発展と全く同期していないことは明白だ」
「F1の政策立案者たちはこのことについて真剣に考えなくてはならない。すでにこれに取って代わるものとしてフォーミュラEがあるが、5年から10年の間に合併することになるのだろうか?」