レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、ホンダがF1から撤退することは「だいぶ前から知っていた」と語った。
ホンダは先週の金曜日(2日)に2021年を最後にF1活動から撤退することを正式に発表。F1関係者だけでなく世界中のモータースポーツファンが驚きをもってこのニュースを受け止めた。
もちろん、ホンダの撤退によって最も大きな打撃を受けるのは現在ホンダエンジンを使用しているレッドブルとそのジュニアチームであるアルファタウリであることは間違いない。
現時点では新たなエンジンメーカーが2022年からF1参戦を開始する可能性はないと考えられており、レッドブルはメルセデス、フェラーリ、ルノーのいずれかからエンジン供給を受けるしかないことになりそうだ。
しかし、レッドブルが独自にエンジンを製造するという構想もあるのではないかとのうわさもある。撤退するホンダのF1エンジン部門を買収する可能性もあると考えている者もいるようだ。
レッドブル・レーシングとアルファタウリのオーナーは世界的エナジー飲料メーカーとして知られるレッドブル社だが、その代表を務めるディートリッヒ・マテシッツの右腕として同社のF1プログラムを率いているマルコは、現在あらゆる可能性を検討していると次のように語った。
「我々はあらゆる方向に向けて取り組んでいるところだ。なぜなら、我々はホンダの決定に関しては前々から知っていたからね」
だが、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、今後もホンダと長期的に協力関係を維持していきたいと語ったのはわずか1週間前のことだった。
その件について尋ねられたマルコは次のように答えている。
「ホーナー氏はチーム代表だが、彼は戦略的なことには関与していないんだ」
「マテシッツ氏と私はだいぶ前から知っていたよ」
ともあれ、マルコが言う「あらゆる方向」の中には、レッドブルもF1から撤退するという選択肢が含まれている可能性もある。
というのも、すでに全F1チームが結んだことが明らかとなっている2021年から2025年にかけての新コンコルド協定(F1参戦契約にあたるもの)には1年ごとに参戦を取りやめることができる解除条項が盛り込まれているためだ。
「我々は毎年契約をキャンセルすることができる」
そう語ったマルコは次のように続けた。
「それぞれの年の最後に撤退するという選択肢がある」
「それは我々にとって優先事項ではない。だから全ての事実関係が出そろったときにマテシッツ氏が決めることになる」
そう語ったマルコは、2022年以降のより具体的なF1の方向性については「今年の終わり」までには知りたいと思うと付け加えている。