レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、F1オーストリアGP(7月5日決勝)を予定通り開催する方向で準備を進めるつもりだと語った。
新型コロナウイルスの影響を受け、2020年のF1はすでに第9戦カナダGPまでの延期もしくは中止が確定しており、その後に予定されている第10戦フランスGP(6月28日決勝)、第12戦イギリスGP(7月19日決勝)、第14戦ベルギーGP(8月30日決勝)もカレンダー通りの日程での開催は現実的に不可能だろうと言われている。
こうした中、第11戦として位置づけられているオーストリアGPに関しては、オーストリア政府も開催に前向きな姿勢を示している。
オーストリアGPの舞台となるレッドブルリンクはその名前が示すように世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルの所有になるものだ。
マルコは『f1-insider.com』に対し、レッドブルリンクでのレースが2020年のF1開幕戦となる可能性は大いにあると次のように語った。
「まだ何も決定してはいない。だが、少なくとも前向きな兆候は見られるし、基本的に我々はそのつもりだ」
「しかしながら、コロナウイルス(感染者)数が再び増加するようなことがあってはならないし、あらゆる安全対策が順守されなくてはならない」
マルコはさらに、レースは無観客で開催されるだろうと語るとともに、その週末に2レース以上を開催する可能性もあると示唆している。
「すでに確実なのは、もしレースをやるとすれば間違いなく観客なしで行うことになるということだ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「そして、どれほどのメディア関係者の現地入りが認められるのか、あるいは認められないのかもまだ決まっていない。レースは7月5日に予定されているが、レッドブルリンクでほかのレースもやることになるのかどうかはまだ検討されていないよ」
モータースポーツを支援する『フォーミュラ・メディスン(Formula Medicine)』のリカルド・チェッカレッリ医師は『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に対し、8月になればレースを行うことも可能となるかもしれないと次のように語っている。
「正しい取り組み方ができれば、可能だろうね」
「オーストラリア(F1開幕戦)では起こりえるあらゆるシナリオに対する準備ができていなかった。だが、今では現実やリスクに関してそのときとは異なる認識を持つことができるだろう」
マルコは地元オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に対し、レッドブルでは3週間前に分かればオーストリアGPを開催することが可能だと語り、次のように付け加えている。
「そして、1レースにするのか2レースにするのかはリバティ(F1オーナーのリバティ・メディア)次第だよ」
レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、もしオーストリアGPが実現できれば、それは今後段階的にF1レースを開催して行く上での先駆け的なモデルとなるだろうとの考えを示したと伝えられている。