レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、リバティ・メディアはF1オーナーとして現在の新型コロナウイルス問題にしっかりと対応してくれるはずだと信じていると語った。
2017年から新オーナーとしてF1運営に携わっているリバティ・メディアだが、4年目のシーズンとなる今年は最大の危機を迎えてしまっている。
covid-19と命名された新型コロナウイルスにより、ここまでにすでに開幕戦から第8戦までの延期もしくは中止が決定しているが、実際のところ、いつになったらレースを開催できるのか全く分からない状況が続いている。
レースを開催できないということはそれに伴う収入が全く得られないということであり、現時点ではF1の存続すら危ぶまれる状況になるのではないかと言われている。
NASDAQに上場されているF1株式も値崩れが進んでおり、このままでは負債を抱えたリバティ・メディアが第三者にF1を譲渡することになるのではないかとのうわささえある。
こうした中、2005年からレッドブルのチーム代表を務めている46歳のホーナーは母国イギリスの『BBC』に次のように語った。
「正直に言って、リバティの構造はかなり複雑なんだ」
「想像できるのは、ライブ・ネイション(リバティ・メディアがオーナーとなっているイベント会社)もイベントビジネスにおいて損害を受けているだろうということくらいだよ」
「だが、彼らには十分な資金もある。それに、彼らは常に長期的視点に立ってきている。彼らはこのスポーツを継続させるために必要なことは何でもやるはずだと私は思っているよ」
実際のところ、F1はこれまでのところ、2021年に予定されていた新F1技術レギュレーションの導入を1年遅らせ、2021年には2020年型マシンで戦うことを決めている。これはチームの費用負担を軽減するためだ。
さらに、リバティ・メディアは統括団体であるFIA(国際自動車連盟)とともに、2021年に導入されるバジェットキャップ(チーム予算上限)をさらに低くすることも検討していると伝えられている。
ホーナーはそれに加え、2020年型マシンのモノコックをそのまま2021年に使用するだけでなく、サスペンションやギアボックスなども含めて今年のマシンの60%を来年も使用することについての話し合いも始めていることを明かし、次のように続けた。
「我々は新レギュレーションの導入をさらにもう1年先送りすることに関しても話し合っているんだ。なぜならば、私の考えでは、2021年に大きな開発コストを抱えるというのは全く無責任なことだからね」
「妥当な合意に至りそうだよ。だが、2023年シーズンの(新技術レギュレーション)導入に向けてその開発コストを2022年に振り分けることに関してはFIAの承認が必要となるんだ」