フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)によるチェックの結果、自分たちの2019年仕様F1エンジンは合法的なものであったことが証明されたと主張した。
2019年にはライバルメーカーたちをしのぐ最強F1エンジンを手にしたフェラーリだが、ライバルチームたちからはその合法性に関して疑問が投げかけられる状況となっていた。
世界的自動車メーカーであるフェラーリのルイス・カミレリCEOは、フェラーリがあたかも何か違法なことを行っているかのような情報を広めたライバルチームたちを非難し、次のように語っていた。
「フェラーリは世界中で知られており、株式も公開されている。誠実で規則を重んじることが我々の基本姿勢だ」
「ああいう疑念を作り出す者はそのことを考慮にいれておくべきだと私は思うよ」
だが、このほどビノットはそうしたフェラーリに対する疑念はFIAによって行われたチェックにより全て払拭されたと次のように語った。
「今シーズンを通じて、恐らくフェラーリほど頻繁にチェックを受けたチームはなかったと思う。(FIAによる)技術通達の前後いずれにおいてもね」
「パフォーマンスにおいてアドバンテージがあるために詳細な調査を受けることになったが、その結果はノーマルかつ良好なものでさえあった。それらの結果は我々のクルマが合法的であることを明確に示したからね」
「我々はシーズン終盤においてもエンジンの使い方をまったく変えることはしなかった。我々のエンジンは常に合法的なものだったよ」
一方、2019年F1シーズン最終戦アブダビGP決勝では、シャルル・ルクレールのマシンに搭載された燃料量が事前にチームが申告した数値と合致していなかったとしてフェラーリに対し、レース後に5万ユーロ(約610万円)の罰金が科されるという事件も起きていた。
だが、ビノットはこのこともフェラーリが不正を行っていたことを示すようなものではないと主張している。
「アブダビの前には何度も計測が行われたが、それらは常に正確だった」
「たった1回だけ間違ったに過ぎず、しかも我々はレース終了時に受け取った文書によって初めて数値に狂いがあったことに気付いたんだ」
「この時点では、もはや検証のしようがなかったんだ。燃料はもう使用されていたからね」
そう語ったビノットは次のように付け加えた。
「どうしてそうなったのかは、今も謎のままだよ」