マクラーレン・レーシングのザック・ブラウンCEOが、2022年にはトップ3チームに追い付くチャンスが来るだろうと語った。
2015年から3年間に及んだホンダとのコラボレーションに失敗したマクラーレンは2018年にはエンジンをルノーにスイッチ。そしてナンバー1ドライバーだったフェルナンド・アロンソがその年限りでF1を去り、2019年はカルロス・サインツとルーキーのランド・ノリスというフレッシュなラインアップでシーズンに臨んだ。
だが、この2人がコンスタントに上位に顔を出す活躍を見せ、2018年をコンストラクターズランキング6位で終えていたマクラーレンが今季はエンジンサプライヤーでもあるルノーを上回り、トップ3チームに次ぐ4位の位置を確保している。
2021年からはF1の技術ルールが大きく変わるとともに、バジェットキャップ(チーム予算上限値)が導入されることからF1チームの力関係も変化する可能性があると考えられている。
だが、2020年はまだF1チーム予算にしばりはなく、技術ルールの大きな変更もないため、基本的にはメルセデス、フェラーリ、レッドブルのトップ3チームの牙城をほかのチームが崩す可能性はほとんどないはずだ。
さらに、2020年にはほぼすべてのF1チームがシーズンを戦いながら同時に2021年型マシンの開発に取り組むことになる。だが、ここでもバジェットキャップの影響を受けないことから、2021年も大規模予算を投入して製造されたトップ3チームのマシンが優位に立つのは間違いないだろう。
だが、2021年にはバジェットキャップが導入され、どのチームもドライバーの報酬などを除けば年間に設定できる予算は1億7500万ドル(約190億円)までとなる。つまり、2020年シーズンにグリッドに並ぶF1マシンはほぼ同等の予算で開発されたものとなり、そこから本当の意味でチームの力関係に変化が生じ始めるものと考えられている。
「トップチームたちは予算を切り詰め、スタッフを減らす必要が生じてくる。それは彼らにとっては困難なことだろう」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったブラウンは次のように付け加えた。
「2022年以降は我々にもチャンスがあると信じているよ」
だが、2019年にルノーとマクラーレンのリザーブドライバーを兼任していたロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンは、マクラーレンはもっと早い段階でトップ3チームとの差を縮めていけるだろうと考えている。
「僕はマクラーレンを内側から見てきたけれど、これまでに僕が仕事をしてきたほかのF1チームと比べるとすごく印象的だったよ」
母国ロシアの『Izvestia(イズベスチア)』にそう語ったシロトキンは次のように付け加えた。
「僕は、来年は彼らが何度か表彰台フィニッシュを達成すると思うよ」