マックス・フェルスタッペンが、2020年シーズン序盤のレッドブル・ホンダのパフォーマンス次第では2021年には所属チームを変える可能性もあると示唆した。
先週、FIA(国際自動車連盟)による年間表彰式典がパリで催されたが、その会場でもっとも大きな話題となっていたのが2020年で現在のチームとの契約が満期を迎えるフェルスタッペンやルイス・ハミルトン(メルセデス)などのトップドライバーたちが2021年にはどうなるのかということだった。
ハミルトンに関してはフェラーリに移籍する可能性が高いとのうわさがささやかれているが、この件について質問を受けたトト・ヴォルフ(メルセデスF1チームCEO)は次のように答えた。
「もちろん、我々もそれぞれのドライバーがどういうプランを持っているのかを知りたいよ」
「だが、我々もすぐにドアを閉めるつもりはないから問題はないと思っている。誰が2021年に我々と一緒にやるのかが4月だろうが6月だろうが、あるいは10月に分かったとしても何の問題もないからね」
一方、通算6回目となるF1チャンピオントロフィーを受け取ったハミルトンは、フェルスタッペンが2021年に向けてヴォルフに電話をかけてきていたと示唆し、次のように続けた。
「それは当然だよ。誰だって勝ちたいと思っているし、そのためには成功を収めているプロジェクトに加わりたいと考えるものだからね」
「僕たちはここ数年非常に強かったし、ほかのチームはまだその域には達していない。そうなるまでには時間がかかるからね」
だが、フェルスタッペンは、自分が2021年にどうするかは来年にかかっていると次のように語っている。
「来年はそういうチャンスもあると思っている。だけど、正直に言ってまだそのことはあまり考えていないんだ」
「来年がスタートしてから何が起きるか様子をみることの方が重要だと思っているからね」
2020年に史上最年少F1チャンピオンとなる最後のチャンスを迎えるフェルスタッペンだが、シーズン序盤の時点でタイトル争いに加わることが難しいと判断した場合にはレッドブル・ホンダのプロジェクトをあきらめて2021年にはメルセデスもしくはフェラーリへの移籍を考える可能性も出てきそうだ。
いずれにせよ、2021年にトップドライバーたちの所属チームがどういう形で収まるのかということに関しては、ハミルトンがどういう決断をするかということがカギとなってきそうだ。
WEC(世界耐久選手権)のチャンピオンとしてFIA表彰式典に参加していたアロンソは、もし自分がハミルトンだったらどうすると思うかと質問されると次のように答えた。
「僕がルイスの立場ならどうするかなんて分からないな」
「チームに対する忠誠心が大きな意味を持つんじゃないかとは想像しているよ。だけど、2021年も、そしてその後もメルセデスを選ぶかどうかは誰にも分からないよ」
一方、現在メルセデスF1チームを率いているヴォルフにも転身のうわさがささやかれている。ひとつはチェイス・キャリーの後任としてF1最高責任者に就任するのではないかというもの、そしてもうひとつはフェラーリに移籍するのではないかというものだ。
だが、2020年1月に48回目の誕生日を迎えるヴォルフは次のように語った。
「全員の将来に関わるようなことを軽々しく決断したいとは思わないんだ。もっと時間がかかるだろう。だけど、驚くようなことになるとは思っていないよ」