フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールはいい関係にあると主張した。
インテルラゴス・サーキットで行われた前戦F1ブラジルGPではレース終盤にベッテルとルクレールが同士討ちを演じて2台ともリタイアで終えるというフェラーリにとっては最悪の結果となってしまっていた。
昨年アルファロメオ・ザウバーでF1デビューを飾ったばかりの2年生F1ドライバーであるルクレールが、フェラーリの絶対的ナンバー1ドライバーだと考えられていたベッテルをしのぐパフォーマンスを発揮していたことから、メディアはベッテルとルクレールによるナンバー1ステイタス争いをあおるような報道を行っていた。
そして、これまでにもいくつかのレースでのチームオーダーに関してベッテルとルクレールが対立したというような報道もあり、ブラジルでの同士討ちによりその関係が一気に悪化したのは間違いないと考えた者も少なくなかったようだ。
だが、ビノットはこうした見方に対し、実際のところ表には見えない部分では2人は「仲良くやっている」と主張している。
「本当のところは、彼ら2人は一緒に仲良くなっているよ」
「皆さんが読んだり耳にしたりしているようなことはないんだ。人々は彼らが常に対立関係にあると考えているかもしれないが、それは間違いだよ」
ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったビノットは、ベッテルがチームオーダーを無視したとしてルクレールが激怒したと伝えられたロシアGP決勝に言及しながら次のように続けた。
「私はロシアでの論争の後、日本でみんな一緒にレストランに行ってすごく楽しく過ごしたことを覚えている」
「彼らもいい雰囲気だったし、お互いにスマホを交換しながらそれぞれにどんな写真があるのかを見ていたよ。彼らは一緒にいるのが好きなんだ」
ビノットは、ブラジルGPでは同士討ちを演じてしまったとは言え、ベッテルとルクレールは2人とも「優れたチームプレイヤー」だと次のように続けた。
「全員が全力を発揮するためにはチーム精神が非常に重要になる」
「そしてフェラーリにおける団結意識は今年さらに強まってきている。それが2020年には結果として現れるだろう」
そう語ったビノットは、ブラジルで起きた同士討ちは受け入れられるものではなかったが、すでに自分たちにとってそれは過去のことでしかないと次のように付け加えた。
「ブラジルの後で集まって話をしたよ。最初はレース直後に、そして再びマラネロ(フェラーリ本部)においてもね」
「彼らもインテルラゴスで起きたことは受け入れられるものではないことを理解していたと思う。しかし、我々には前を向く必要もあるんだ」