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【F1】2021年以降の新テクニカルレギュレーションの概要発表

2019年11月01日(金)9:28 am

FIA(国際自動車連盟)とF1は10月31日(木)、2021年以降の新レギュレーションを発表した。関係者に配布された資料は28ページにも及んでいる。

●【画像29枚:F1】2021年以降の新レギュレーションと画像を発表

新しいレギュレーションは、テクニカル、スポーティング、ファイナンシャルの3つに分かれている。

【2021年の主要目標】
・レース性:接戦を促し、可能なこと
・競争力のあるグリッド:マシン間(戦闘力)の差を減らすこと
・ファイナンシャルの持続可能性:健全な財政状況、持続可能なビジネスモデル、コスト削減
・環境の持続可能性:道路関連分野の技術の進歩に貢献
・美学:見栄えの良い、エキサイティングなクルマ

【空力レギュレーションの目的】
・ウェイク・パフォーマンス(接戦)
・クルマのシンプル化
・パフォーマンスの差を小さくする

・空気の渦が小さいシンプルなフロントウイング
・バージボード廃止
・グランドエフェクトカー(サイドポッド下から続く長いディフューザー)
・影響を受けやすいエリアでの特定の規定コンポーネンツ

【空力レギュレーションの視覚的な差別化】
以下の分野において外観の差別化が可能となっている。
・ノーズ
・フロントウィングとエンドプレート
・エンジン・インテーク
・サイドポッド・インテークの形状
・サイドポッド・コークの形状とエンジンカバーの背びれ
・ブレーキダクト
・リアウィングとエンドプレート

逆に制限されている分野は、シャシー下のデバイス、バージボード、ディフューザー、複雑なリアウィングのエンドプレート。

【重量】
以下の理由により最低重量が743kgから768kgに増加。
・大きなホイール
・タイヤの質量
・パワーユニット(+5)
・特定の標準品または所定の部品
・安全コンポーネンツ

【パワーユニット】
基本的に現状維持。
いくつかのコスト削減:
・重量の増加
・材料の制限(市販品)
・ESセルおよびターボチャージャーサプライヤの非独占性
・標準HP燃料ポンプ

マニュファクチャラーとカスタマーチームは同等の仕様の義務

【燃料とエンジンオイル】
F1の燃料の環境性を高めたいという強い要望があった:
・2021年:再生可能燃料を20%に倍増
・2022年以降:これらをさらに増やすと公約。ロードマップはPUメーカーと燃料サプライヤー間で定義する必要がある。

【燃料システム】
・標準的な高圧力およびプライマーポンプ
・標準配管
・標準流量計(FFM、現状維持)
・標準ダンパー
・所定のコレクターおよび特定の内部コンポーネント

【トランスミッション】
・分析の結果、ギアボックスの開発を止めるとかなりの節約ができることがわかった。
・チーム間のパフォーマンス差を「ロックイン」しないよう、ギアボックスのサイズはより制限された方法で定義される。
・5年ごとに1回、完全な再設計が可能となる。
・コスト上の理由から、ドライブシャフトのジオメトリはシンプル化。

【サスペンション、ステアリング、ホイール、タイヤ】
・サスペンションのシンプル化
・油圧サスペンション禁止
・シンプルなインボードシステム(スプリング、ダンパー)およびイナーターの禁止
・サスペンション構造とフェアリングの分離
・標準供給の大型18インチホイール
・少なくとも2021年と2022年はタイヤブランケットの保持(ただし低コストであること)
・規定のデザインハブ、ナット、ホイールの保持

【ブレーキシステム】
・より大きなディスク(278mmから330mmまで)
・シンプルなディスク・ジオメトリ:直径の小さな穴と大きな穴
・標準供給の延期(2023年まで)

【シャシー、ホモロゲーション】
・背の高いドライバーに不利にならないようにコックピット内部の寸法を拡大
・側面からの衝撃の安全性を高めるためにサイドビームの寸法を拡大
・縁石上のシャシーを保護するだけでなく、チームが不当な優位性を模索するのを防ぐための所定のフロントフロア構造(柔軟なフロア)
・ホモロゲーションの第16、17、18条を組み合わせて一つへ(第13条)

【安全性の改善】
・事故発生時のデブリ(破片)の改善
・一部のコンポーネント内にラバー(ゴム膜)を追加して、デブリを抑制する研究
・フロントウィング全体が車から外れないようにする
・一部のリアコンポーネントの接続

・正面からのエネルギー吸収の増加(より長いノーズ)
・サイドシャシーの強度向上と、より包括的な新しい側面衝撃構造
・シャシーへのヘッドレストの取り付けの改善
・ホイール質量の増加によるホイール・テザー(ストラップ)の必然的な増強

【材料】
・明確さとコスト上の理由から、材料の規制を包括的に書き直す
・コスト削減は主に金属材料において達成する
・複合材料:大部分は現状維持
・概念:材料は商業的に入手可能でなければならない

【コンポーネントの分類】
コスト上の理由から5つのカテゴリーのコンポーネントの分類を導入
・リスト化されたチームコンポーネンツ(LTC):各チームが作成したコンポーネンツ
・標準供給コンポーネンツ(SSC):入札による単一サプライヤ
・所定の設計コンポーネンツ(PDC):所定の設計(無料提供)
・転送可能なコンポーネンツ(TRC):あるチームから別のチームに移すことができるコンポーネント
・オープンソースコンポーネント(OSC):デザインを競合他社に公開し利用可能とするコンポーネント
・第17条のコンポーネントの分類の詳細な表

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●【F1】2021年以降の新ファイナンシャル・レギュレーション発表 FIA初のコストキャップ

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