メルセデスF1チームのCEOを務めるトト・ヴォルフが、ホンダのパフォーマンスアップはF1全体にとっていいことだと語った。
2014年にPU(パワーユニット)と呼ばれる現行F1ハイブリッドエンジンが導入されて以来、メルセデスが5年連続でF1ダブルタイトルを獲得。今季も6回目の王座獲得にほぼリーチをかけたに等しい状況となっている。
しかし、ヴォルフは最強と呼ばれ続けてきたメルセデスのF1エンジンにすでにライバルメーカーたちが「追い付いてきている」と考えており、特に大幅な改善を示したホンダの活躍を歓迎している。
「ホンダは大きな進歩を遂げたし、多くの賞賛を受けるにふさわしいよ」
そう述べたヴォルフは次のように続けた。
「私もそれをうれしく思っている。なぜならホンダが強いことはF1全体にとっていいことだからね。4つのエンジンメーカーが肩を並べるようになれば、それは全員にとっていいことだ。我々も含めてね」
「我々がリードしていたものの、今ではほかのメーカーたちが追い付いてきたのは明らかだ」
「6年連続でF1タイトルをとったチームがひとつもないのには理由があるんだ。だから、チームの全員がさらに腕まくりをして取り組む必要があることをよく分かっているよ」
だが、ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは、現在のF1での力関係がすぐに変わってしまう可能性はそれほど大きくはないと見ているようだ。
「まだ、メルセデスの支配を完全に覆すのは誰にとっても難しいだろう」
7度F1王者となったミハエル・シューマッハを兄に持つラルフはそう語ると次のように付け加えた。
「レッドブルも改善を続けることができるだろうし、フェラーリが何レースかで勝つこともあるだろう。だが、そのほかのチームが射程距離に入ってくるとは思えないよ。例えば、ルノーは、期待されたところまでは来ていないしね」