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F1マシンのパーツ標準化は是か非か?小規模チームからも疑問の声

2019年05月21日(火)18:48 pm

標準パーツ導入の是非を巡ってF1界が大きく揺れ動いているようだ。

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、F1オーナー、各F1チームの間で結ばれている現在のコンコルド協定が2020年で満期を迎えることを受け、FIAやF1オーナーのリバティ・メディアは2021年からいくつかのパーツの標準化する方針を打ち出している。

FIAはこれまでにギアボックス、ホイール、そしてブレーキを対象として、その供給希望企業に対する入札要項を発表しているが、このほどさらに燃料システムに関しても標準化する意向を示し、その入札手続きを開始することを明らかにした。

もしこれが実現されれば、それらのパーツに関しては2021年からはすべてのF1マシンが同じものを搭載することになるわけだ。

このパーツ標準化は、コスト削減や各チームの戦力の平準化を目的とするものだ。しかし、これまで独自開発が義務化されていたF1マシンのパーツが標準化されることについては反対意見も少なくない。

現時点でフェラーリからルールが許す限りのパーツ供給を受けているハースのギュンター・シュタイナー(チーム代表)でさえ、次のように疑問を呈している。

「我々は自分たち自身よりも先走ろうとしているように思うよ」

「私にとって重要なのは、F1が自分たちのDNAをキープできるようにする必要があるということだ」

もちろん、大規模F1チームたちもシュタイナーと同じ意見なのは間違いないだろう。しかし、ハース同様に小規模チームの中にもパーツの標準化によってチーム間の格差が小さくなるとは限らないという見方をしているところもあるようだ。

それは、もしF1マシンに多くの標準化パーツ装着が義務づけられればその部分においての戦力差がなくなるのは確かだとしても、大きな予算を持つチームはもっとパフォーマンスに影響を持つほかの重要なエリアの開発にこれまで以上に資金や人材を投入できるようになり、結果としてチーム間のギャップがさらに大きくなるのではないかとの懸念があるためだ

フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは次のように語っている。

「標準化は金を節約できる場合に限って意味を持つものだ。まずはそれを証明する必要があるよ」

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