ケビン・マグヌッセンが、所属するハースF1が今後自分とチームメートのロマン・グロージャンに対してチームオーダーを発令するかどうかは分からないと語った。
バルセロナで先週末に行われたF1スペインGP決勝では、ハースのチームメート同士がバトルを展開。そして2人のマシンが接触し、それによってグロージャンが大きくコースオフしてしまう事態を招いていた。
■悪かったのはマグヌッセン?
マグヌッセンもグロージャンも強気で知られるドライバーだが、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、今回の接触に関してはマグヌッセンに非があると受け止めていたのかもしれない。
シュタイナーは両者が接触した後、マグヌッセンに対して無線で次のように伝えていた。
「ケビン、(レース終了後は)最初に私のところに来てくれ。頼むよ」
その一方で、シュタイナーはグロージャンに対しては「ロマン、冷静さを失わないようにしてくれ。この件には私が対応する」
母国デンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』から、ボスのシュタイナーを怒らせてしまったのではないか、と尋ねられたマグヌッセンは笑いながら次のように答えた。
「ギュンターはいつも怒っているような言い方をするんだよ。誕生日おめでとうと言うときでさえね。いつものことさ」
「確かに、ちょっとばかり興奮気味のメッセージがあった。だけど、僕たちはポジション争いをしていて少しばかり接触しただけだよ。それだけのことさ」
■チームオーダーは首脳陣が決めること
しかし、F1チームにとって最も避けたいのがチームメート同士のクラッシュであることは確かだ。今回の接触が引き金となって、今後ハースがチームオーダーの発令を考えることも十分にありそうだ。
「それは僕が決めることではないからね」
マグヌッセンはそう語ると、次のように続けた
「自分たちのドライバー同士をお互いに戦わせたくない場合だってあるだろうね。そして、それはギュンターとジーン(ハース/チームオーナー)が決めることさ」
「だけど、これまではチームオーダーはなかったし、僕たちはレーシングドライバーなんだ。僕たちはそれで金をもらっているんだからね」
■ドライバー同士の関係には問題なし
一方、シュタイナーは、今回バルセロナで起きたチーム内バトルによってマグヌッセンとグロージャンの関係が悪化したりはしていないとデンマークの『BT』紙に次のように語った。
「彼らはお互いにいい関係にあるよ」
「私は、彼らがお互いに相手をいやな気分にさせるような発言をすることがないようにしたいと思っているだけだ。だから私はレース終了後すぐに彼らを呼んで15分くらい話をしたよ」
シュタイナーはさらに、自分はどちらか1人の肩を持つようなことをするつもりはないと次のように続けた。
「私は彼らに言ったよ。どちらが悪かったのかをはっきりさせるために夜中まで話をするつもりはないとね」
「正直な話、退屈なレースになっていたときにあれでちょっとスパイスアップされたと思っているんだ」
笑いながらそう語ったシュタイナーは次のような冗談を付け加えた。
「我々にも何かが与えられるべきだよ。ファステストラップを刻めば1ポイントもらえるわけだが、我々にも最もレースを面白くしたことによって1ポイントが与えられてもいいんじゃないかな」