ザウバーF1チームの設立者であるペーター・ザウバーが、「ザウバー」という名称がF1から消えたのは「悲しい」と認めた。
ザウバーF1チームを結成して1993年からF1参戦を開始したザウバーだが、2016年に現在のオーナーにチームを売却し、その時点でチーム運営からは完全に手を引いた形となっている。
そして、スイスのヒンウィルに拠点を構えるザウバーは、今季ネーミングライツをアルファロメオに譲ったことで、ついにF1エントリー名から「ザウバー」という文字が消えることになった。
「もちろん、長い間親しまれてきたザウバーの名前が消えるのはつらいよ」
『CH Media』にそう語った75歳のザウバーは次のように付け加えた。
「だが、その名前はF1から消えただけだ。(ザウバーという)会社は49歳だし、2019年には50周年を迎えることになる」
実際のところ、アルファロメオの2019年型F1マシンには小さいながらも「ザウバー・エンジニアリング」という文字が刻まれており、リアウイングにはスイスの国名も描かれている。
「そして、それにはもうひとつの側面があるんだ」とザウバーは続けた。
「チームにとっては、アルファロメオという名称に変わるのはいいことだよ。そうでなければ、オーナーたちはそんなことはしなかっただろう」
「そして、チームにとっていいことは、私から見てもいいことなんだ。私も難しいことをたくさん行ってきたが、それはチームの最大の利益を考えてのことだった」
名称はアルファロメオに変わったものの、そのマシンを製造しているのがザウバーであることに変わりはなく、2019年型車の名称も「C38」と、これまでの伝統を引き継いだものになっている。ちなみに、ここで用いられている「C」はザウバーの妻クリスチアーネの頭文字からとったものだ。
「2006年から2009年にかけて、我々はBMWのためにF1カーを製造した。今はそれがアルファロメオになったわけだ」
かつてBMWのワークスチームとなった時期を振り返りながらそう語ったザウバーは次のように付け加えた。
「ザウバーは今でもFIA(F1統括団体である国際自動車連盟)に製造者として登録されている。そしてオーナーあるいは首脳陣もそれを変えることはないだろう」