数年前まで破綻の危機に瀕していたザウバーF1チームだが、2016年7月にロングボウ・ファイナンスSAが新オーナーとなって以来、いい方向でのチーム改善が進みつつあるようだ。
2017年には前チーム代表のモニシャ・カルテンボーンが更迭されると、その後任に迎えられた新チーム代表のフレデリック・バスールはフェラーリとの関係強化に動き、当時フェラーリ会長を務めていた前フィアット・クライスラー最高責任者のセルジオ・マルキオンネ(2018年に死去)の支援を得て2018年からアルファロメオをタイトルスポンサーに迎えることに成功。
さらに、フェラーリ育成ドライバーのシャルル・ルクレールをドライバーに起用したザウバーは、2017年は最下位に沈んでいたコンストラクターズランキンも2018年には8位にまで挽回している。
そして2019年もフェラーリの育成ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィをドライバーとして起用するほか、昨年までフェラーリで走っていた2007年のF1チャンピオンであるキミ・ライコネンも加わることで一層のチーム力アップが期待されている。
こうした中、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、ザウバーが最終的にアルファロメオのワークスチームになる日もそう遠くないのではないかとの推測を行っている。
昨シーズン中盤に死去したマルキオンネがアルファロメオをF1に復帰させることを願っていたことはよく知られているが、『Auto Bild(アウト・ビルト)』はさらに、その一貫として昨シーズンまでフェラーリのチーム代表を務めていたマウリツィオ・アリバベーネが何らかの形でザウバーに加わるのではないかとも報じている。
アリバベーネに関しては、フィアット社の創業家として知られるアニェッリ家が所有するセリエAのサッカーチーム、ユベントスの経営責任者として迎えられるのではないかとのうわさもあるが、2014年11月からフェラーリのチーム代表を務めてきたアリバベーネにとっては、サッカーチーム運営よりはF1チーム運営の方がすぐにその経験を生かせる場となるのは間違いないだろう。
ともあれ、アリバベーネの今後の身の振り方や、ザウバーの今後についてもさらに注目が集まることになるのは間違いなさそうだ。