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「ベッテルは勝利にこだわり過ぎて墓穴を掘った」とブリアトーレ ハミルトン「僕らの戦いは厳しい。敬意を払って」

2018年10月10日(水)19:52 pm

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は、2018年のF1タイトル獲得に向けて正しいアプローチができていなかった。

そう考えているのは、かつてベネトンとルノーでチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレだ。

ベッテルは今シーズン序盤にはライバルのルイス・ハミルトン(メルセデス)をしのぐ走りを見せ、ついに今年はフェラーリドライバーが11年ぶりにF1チャンピオンに輝く可能性が高いとさえ考えられていた。

しかし、第11戦F1ドイツGP決勝でトップを走りながら自らのミスでクラッシュし、そのレースをノーポイントで終えたあたりから風向きが大きく変化。ベッテルも第13戦ベルギーGPでは勝利を飾ったものの、その後のレースでハミルトンが4連勝を飾ったのに対しベッテルは4位、3位、3位、6位とふるわず、事実上今季のタイトル獲得の望みは消えてしまった。

■ベッテルへの敬意を忘れるなとハミルトン

そんなベッテルに対しては、フェラーリの地元イタリアのメディアを中心に批判的な報道が多くなっている。

しかし、ほぼ今季のタイトルを手中に収めたハミルトンはSNSに次のように書き、ベッテルを擁護している。

「メディアはセバスチャンにもう少し敬意を払う必要があると感じているよ。僕たちのレベルにおいて戦うことがどれほど難しいことなのかなんて想像すらできないはずだ」

■勝利だけを目指したのがベッテルの失敗だとブリアトーレ

しかし、イタリア出身のブリアトーレは、母国の大多数のメディア同様にベッテル批判派のようだ。

「彼(ベッテル)は2位で終えることになる。そして、勝者となるか最初の敗者となるかは常に紙一重だ」

ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語った68歳のブリアトーレは次のように続けた。

「セバスチャンは今年あまりにもミスをし過ぎたと思う」

「彼は、レースは1周で終わるわけではなく、53周とかで争うものだということを学ぶ必要があるね。F1チャンピオンになるためにすべてのレースで勝利する必要はないが、ポイントを積み重ねていかなくてはならないんだ」

「ベッテルはレースで勝利することを目指して戦っているが、それではうまくいかないんだ」

そう語ったブリアトーレだが、フェラーリも最近のレースでは戦略ミスが多過ぎたと語り、チームとしての責任もあると示唆している。

■マルキオンネ死去の影響は大きかったとブラウン

一方、かつて技術トップとしてミハエル・シューマッハや現FIA会長のジャン・トッド(当時のチーム代表)らとともにフェラーリ黄金時代を築いたロス・ブラウンは、ちょっと違う考えを持っているようだ。

現在はF1のモータースポーツ担当マネジングディレクターを務めている63歳のブラウンは、フェラーリがシーズン後半に失速したのは7月に前会長のセルジオ・マルキオンネが死去したことが大きな影響を及ぼしたのだと考えている。

「セルジオ・マルキオンネが突然亡くなったことが重大な結果に結びついたことは疑いようもないよ。彼はチームにとって非常に重要な人物だったからね」

■責任は全員で背負うもの

そう述べたブラウンは、自分がフェラーリにいたときにも数えきれないくらいの危機を乗り越えてきたと語り、次のように続けた。

「だからこそ私には分かるんだ。今こそ考えをひとつにし、団結し、お互いに批判し合うことなく前を見なければならないんだということがね」

「F1は言うに及ばず、どんなスポーツにも不文律というものがある。それは、ドライバーとエンジニア、そしてチーム首脳たちは全員で一緒に勝利し、一緒に敗れるということだ」

ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったブラウンは次のように付け加えている。

「マラネロ(フェラーリ)にいる全員がそれは分かっているよ」

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