F1モータースポーツ担当マネジングディレクターを務めるロス・ブラウンが、先週末に行われたF1モナコGPへの批判的意見は短絡的過ぎるとの見解を示した。
■“退屈”だった今年のモナコGP
もともとコース上での追い抜きはほぼ不可能に近いことで知られるモンテカルロ市街地サーキットだが、今年は例年にも増してコース上でのバトルが少なく、ファンばかりでなくドライバーたちからも批判的な声が上がっている。
レースをリタイアで終えたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)は、今年のモナコGPは「F1の歴史の中でも最も退屈なレースだったかもしれない」と語っている。
かつてフェラーリのテクニカルディレクターを務め、2009年には自分がオーナーを務めるブラウンGPでF1タイトルを獲得した実績を持つブラウンも今年のモンテカルロが「見どころ満載」ではなかったのは事実だと認め、とりわけF1公式タイヤサプライヤーであるピレリが持ち込んだ2018年仕様タイヤによって例年にも増してそういう状況に陥ってしまったのだという考えを示している。
■モナコでバトルを望むのは考えが甘い
しかし、ブラウンはそもそもモナコにおいて、多くの激しいバトルやオーバーテイクを期待すること自体に無理があるのだと次のように語った。
「モナコで多くのバトルや追い抜きを期待するのはちょっとばかり考えが甘いよ」
「(モナコは)かなり特別なレースだし、ほかのレースと同じ基準で判断すべきではないんだ。もちろん、ドライバーたちの意見は歓迎するし、我々も常にそれには耳を傾けるがね」
2013年シーズン限りでチーム代表を務めていたメルセデスを去り、その後数年にわたってF1とは距離を置いていたものの、昨年F1新オーナーとなったリバティ・メディアの求めにより現職に就いたブラウンは次のように付け加えた。
「しかしながら、(モナコで)何か手を打とうとするなら陸から海に至るまで再開発する必要が生じる。そしてそれは我々にどうこうできることではないよ」