2019年にはレッドブル・ホンダが誕生するだろうといううわさが強くささやかれるようになっているが、ホンダは現時点ではそのことに関して沈黙を守っている。
■強くうわさされるレッドブル・ホンダの誕生
昨年限りでマクラーレンとの関係が解消されたホンダをジュニアチームであるトロロッソのワークスPUサプライヤーと迎えることを決めたレッドブルだが、もしホンダPUが2018年に大きく進歩を遂げれば、2019年からはルノーに替えてホンダPUを搭載しようという思惑があったのは確かだ。
そして2018年シーズンを迎えても相変わらずルノーPUの信頼性問題に悩まされているレッドブルは、第2戦バーレーンGPで大きな前進を果たしたことを証明してみせたホンダPUの採用に向けてかなり前向きになっていると考えられている。
■田辺TDは多くを語らず
そうした中、ホンダF1プロジェクトを率いる田辺豊治テクニカルディレクターはフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「トロロッソは新しいアイデアを歓迎してくれますし、真剣に我々に耳を傾けてくれます。我々も彼らの考えを注意深く聞いています」
「我々は自分たちの目標を達成するために共に懸命な取り組みを行っています」
最近ではレッドブルがホンダに対してPU供給に関する条件を提示したようだとのうわささえささやかれている。だが、レッドブルとの交渉はどのように進んでいるのかと質問された田辺テクニカルディレクターは次のように答えるだけだった。
「私は今シーズンに、そしてトロロッソとの技術パートナーシップのことに集中しています」
「そのほかのことに関しては、すべてホンダのトップマネジメントが決定を下すことになります」
■ペナルティー回避よりも開発優先を示唆するトロロッソ
今年は昨年よりも1レース増えて全21戦で戦われることになるが、1台のクルマに投入できる主要PUコンポーネントは年間3基までとなっている。
ちなみに、ホンダはすでに第2戦バーレーンGPでピエール・ガスリーのクルマに2基目のICE(内燃機関)、ターボチャージャー、MGU-H(熱エネルギー回生システム)を投入。チームメートのブレンドン・ハートレーも同様に2基目のターボとMGU-Hを投入している。
トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは、規定数を超えるPUコンポーネントを投入してグリッド降格ペナルティーを受けることも想定した上でPUやシャシー開発を進めていくという計画であることを示唆している。
「ほかのチームは2つか3つの改良(PU)でシーズンに臨むことになる。我々は違う考え方で進めるつもりだ」
『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったトストは、次のように付け加えた。
「我々は小さな改良を施すたびにクルマを速くしていきたいと思っているんだ」