今年のF1開幕戦オーストラリアGPではほとんどコース上での追い抜きが見られなかったが、今週末に行われる第2戦バーレーンGP(8日決勝)ではもっとエキサイティングなレースが展開されるかもしれない。
■DRSゾーン追加も効果がなかったオーストラリアGP
オーストラリアGPの舞台となったメルボルンのアルバート・パーク・サーキットはもともと抜きどころがあまりないサーキットとして知られている。そして2017年に幅広タイヤが導入され、F1カーのダウンフォースが強められたことから以前よりもさらにオーバーテイク(追い抜き)が難しくなっている。
F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は今年アルバート・パーク・サーキットに3つめのDRSゾーンを設けるという施策を行ったものの、実際にはその効果もほとんど見られなかった。
元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデは母国オランダの『Algemeen Dagblad(アルゲメン・ダグブラッド)』に次のように語っている。
「レースを見ながらパーティーをしていたんだけど、最後の方では僕は寝てしまったよ」
■バーレーンのレイアウトの方が追い抜きチャンスは多い
だが、ヴァン・デル・ガルデは、ストレートが多いバーレーン・インターナショナル・サーキットではオーストラリアよりは見応えのあるレースになるのは確かだと次のように語っている。
「それは間違いないよ。長いストレートがいくつかあるし、ストップ・アンド・ゴーの性格を持ったサーキットだからね」
■DRSゾーン延長の効果にも期待
さらに、今週末のバーレーンGPではDRSゾーンが増やされることはないものの、メインストレートに設けられるDRSゾーンが昨年までよりも100m延長されることが明らかとなっている。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、各チームが行ったシミュレーションによれば、メインストレートのDRSゾーンが100m延長されたことにより、後ろから追いかけるクルマが0.8秒速ければ前のクルマをとらえてオーバーテイクすることが可能になるだろうとしている。
その記事にはメルセデスの関係者が次のように語ったと記されている。
「DRSゾーンが長くなったことでコンマ3秒長く追うことができる。その際に(エネルギー回生装置による)電力をフルに使ってエンジンのパワーをさらに引き出し、うまくスリップストリームを利用すれば、オーバーテイクするいいチャンスが生まれるよ」