レッドブルのモータースポーツアドバイザーであり、ドライバー育成責任者も兼務するヘルムート・マルコが、2019年以降もダニエル・リカルドをキープしたいと考えていることをあらためて明らかにした。
■メルセデスもしくはフェラーリへの移籍チャンスをうかがうリカルド
現在のレッドブルとの契約が今年限りで満期を迎えるリカルドは、2019年にはメルセデスもしくはフェラーリへ移籍することになりそうだとのうわさも根強くささやかれている。
メルセデスではバルテリ・ボッタスとの契約は1年しか結んでおらず、現役最年長ドライバーである38歳のキミ・ライコネンとフェラーリの契約も1年間となっている。トップドライバーとしての定評を得ているリカルドにとってはこの2強チームのいずれかに移籍できるチャンスがあるのは確かだろう。
伝えられるところによれば、現時点では移籍を検討しているリカルドがレッドブルとの契約延長交渉を先送りにしている状態のようだ。
■リカルドとの契約は有益であることが必要
リカルドの契約問題に関してフランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』から質問を受けたマルコは次のように答えた。
「ダニエルとはいい関係が築けているよ」
「我々は本当に彼が好きだし、とどまって欲しいと願っている。だが、どんな条件でも構わないというわけではない。契約は我々両方にとって有益なものでなくてはならないからね」
■リカルド移籍なら後任候補はサインツ
仮にリカルドが今季限りでレッドブルを去ることになれば、その最有力後任候補はカルロス・サインツだと考えられている。レッドブルと育成ドライバー契約を結んで2015年にジュニアチームのトロロッソでF1デビューを飾ったサインツだが、今年はレンタル移籍の形でルノーのドライバーを務めている。
今季トロロッソのドライバーを務めるピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーに関しては、来季すぐにレッドブルに昇格させるにはまだ経験不足だと考えられている。さらに、もしトロロッソのドライバーのうち誰か1人をレッドブルに昇格させれば、今度はトロロッソのドライバーに欠員が出てしまうということにもなる。
■昨年ハートレーを抜てきした理由は?
実際のところ、昨シーズンの終盤にそれまでトロロッソのドライバーを務めていたロシア出身のダニール・クビアトが更迭されてしまったが、その際には近年WEC(世界耐久選手権)で戦っていたブレンドン・ハートレーを抜てきしたという経緯もある。
「あの時点では、F1に上げても大丈夫な若手ドライバーは誰もいなかったんだ」
そう認めたマルコは、次のように付け加えた。
「だが、私はブレンドンにはスピードがあると以前から分かっていたし、常に支援を続けていたよ」
実際のところ、ハートレーはかつてレッドブルのジュニアドライバーだったが、2010年シーズン中に解雇されてしまっていた。それだけに、2017年シーズン終盤にハートレーと再び契約を結んだことが明らかになると多くのF1関係者が驚きを隠せなかったものだ。
■ガスリーはだいぶ成熟してきた
マルコはさらに、もう1人のトロロッソドライバーであるガスリーに関しても次のように語っている。
「2016年に彼はGP2のチャンピオンになった。だが、彼はミスも犯していた。だから我々は彼はまだF1に上げるにはふさわしくないと判断したんだ。我々は彼を(日本の)スーパーフォーミュラに送り込んだ。しかし、最初のレースは悲惨だったよ」
「その後、彼は他人を批判するのではなく、自分のことに集中するということを学んだんだ。そして基本的に彼は成長したしうまく対処し始めていた」
そう述べたマルコは22歳のガスリーについて次のように付け加えた。
「今では、ピエールはかなり円熟した大人になったよ」