マクラーレンを率いるエグゼクティブディレクターのザック・ブラウンが、2021年からマクラーレンがF1エンジンサプライヤーとなるのではないかとのうわさに関してその可能性を完全否定はしなかったと伝えられている。
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■紛糾が予想される新F1エンジンルール導入
昨年10月にF1新オーナーとなったリバティ・メディアが中心となってとりまとめた2021年以降のF1エンジンルール案が提示されたが、これに対してフェラーリ、メルセデス、ルノーといった既存メーカーが反発していることはすでに伝えられている通りだ。
フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは2020年限りでF1から撤退する可能性があると示唆し、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフも自分たちも同じようにする可能性もあるとほのめかしている。
■F1オーナーはフェラーリらの意見を検討すべきだとブラウン
その件について質問を受けたブラウンは、次のように語った。
「セルジオやトトと行った会話から、我々は将来に向けて似たような多くのアイデアを持っていることが分かる」
「我々は全員にとどまって欲しいが、リバティやFIA(国際自動車連盟)は可能な限り速やかに彼らの考えを検討議題にあげるべきだよ」
■新ルールによってはマクラーレンが独自にF1エンジン開発も?
リバティ・メディアやFIA会長を務めるジャン・トッドは、2021年のF1エンジンルール改訂により、独立系メーカーを含む新たなエンジンサプライヤーがF1に参戦しやすくしたいという思惑があることを明らかにしている。
仮に、F1エンジンルールがこれまでよりも緩和され、大手自動車会社でなくてもF1参戦が可能となれば、近年搭載するエンジンに苦しめられてきているマクラーレンが自分たち独自のエンジンを開発することも可能になるのではないかと見る者もいるようだ。
■可能ではあるが問題は利益を生むかどうかだとブラウン
だが、こうした推測に対し、ブラウンはイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「自分たちでエンジンを造るというのは財政的に非常に困難なことだし、我々はルノーとの関係をスタートさせたばかりだよ」
しかし、ブラウンは次のように続け、マクラーレンが独自にF1エンジン開発を行う可能性は低いとしつつも、完全には否定しなかった。
「2021年に我々が自分たちでエンジンを造ることは可能ではある。だが、実現しそうにはないね。マクラーレンエンジンができればうれしいだろうが、それは経済的に意味があるものでなくてはならないからね」