ハースF1チームが、フェラーリ所属ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィにチャンスを与えることはなかった。
2017年のF1第10戦イギリスGP以降、23歳のジョビナッツィはハースから7レースで金曜フリー走行を担当していた。もちろん、これはハースが技術提携契約を結んでいるフェラーリによる強力な後押しがあって実現したものであることは確かだ。
■ジョビナッツィを金曜に走らせたメリットはなかった
だが、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、ジョビナッツィに金曜フリー走行を担当させたことによるメリットはほとんどなかったとデンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』に次のように語った。
「そのことが我々、あるいは我々のドライバーの助けになったとは思っていないよ」
「どれほどうまくいかなかったかと言うことはできないものの、よくなかったのは確かだ。来年はどうするか考えて行くことになるが、まだそのことについて話はしていないんだ」
ジョビナッツィに関しては、一時は同じフェラーリ所属ドライバーであるシャルル・ルクレールとともに2018年にはザウバーのシートを得る可能性もあると考えられていた。
だが、ザウバーは結局ルクレールの登用は決めたものの、もうひとつのシートには引き続きマーカス・エリクソンを座らせることで決定。ジョビナッツィのシート獲得はならなかった。
■フェラーリから要請はあった
シュタイナーは、フェラーリがハースに対して2018年のシートを与えるよう働きかけていたことを認め、次のように続けた。
「彼らは申し入れを行ってきたよ。だが、求めなければ望むものを手にすることはできないからね」
「彼らは我々にプレッシャーをかけることはなかった。我々は即座に、来年に向けてすでに2人のドライバーがいるということを明確にしたんだ。そこでもめるようなことはなかったよ」
■2018年にはザウバーで金曜フリー走行を担当
結局、ジョビナッツィは2018年にはザウバーの控えドライバーを務めることで落ち着いた。ジョビナッツィは2017年の開幕2レースにザウバーから負傷欠場となったパスカル・ウェーレインの代役として出走した経験を持っているが、2018年には6レースで金曜フリー走行に出走する予定になっている。
2018年にジョビナッツィをF1にフル参戦させるチャンスを逃したことについて、フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネはイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語っている。
「我々は彼(ジョビナッツィ)がレースをしたいと望んでいることは分かっている。だが、現時点ではどこにも行き場がないんだ」