2018年もザウバーに残留することが確定したマーカス・エリクソンが、実際に契約書にサインをするまで「数週間にわたって不安な時期を過ごしていた」と認めた。
■シート喪失もうわさされたエリクソン
2015年からザウバーのドライバーを務めている現在27歳のエリクソンだが、これまでの3年の年間成績でチームメートを上回ったことは一度もない。
2017年もメルセデス所属ドライバーであるパスカル・ウェーレインとコンビを組んだものの、ウェーレインが2レースで入賞を果たして5ポイントをチームに持ち帰ったのに対し、エリクソンはノーポイントでシーズンを終えている。
だが、ウェーレインは2017年限りでザウバーのシートを失い、2018年にはF1で走るチャンスは完全に消えてしまっている。
一方のエリクソンに関しては、2016年からザウバーの新オーナーとなったロングボウ・フィナンス社との強いコネがあるため2018年も続投することになるだろうと考えられていた。
しかしチーム運営体制が大きく変わったザウバーが実力重視のドライバー選択を行う可能性も示唆されてきており、フェラーリ所属ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィがシートを獲得するチャンスもあるのではないかと言われていた。
■契約が決まるまでは不安だったとエリクソン
だが、ザウバーでは結局2018年シーズンに向けてエリクソンの続投と、もう1人のフェラーリ所属ドライバー、シャルル・ルクレールを登用することが確定している。
エリクソンは母国スウェーデンの『Teknikens Varld(テクニケンズ・ヴァルド)』誌に次のように語った。
「何週間か不安な時期を過ごしたよ。だけど、もちろん今ではすべてが整ったからうれしく思っている。とりわけ、アルファロメオが主要スポンサーかつパートナーとして一緒にやることになったからね」
■2018年以降はザウバーも戦えるチームになる
2014年に小林可夢偉のチームメートとしてケータハムでF1デビューを飾ったエリクソンだが、ケータハムはそのシーズン中に経営破たんに陥って消滅してしまった。そして2015年に移籍したザウバーも、ずっと財政危機状態にあるという厳しい状況の中で戦ってきていた。
だが、新オーナーがつき、さらに2018年からはアルファロメオと組むことで、今後のザウバーはかなり戦闘力のあるクルマを製造することができるだろうとエリクソンも期待している。
「F1でのここまでのキャリアはずっと厳しいものだったよ。常にグリッド最後尾にしかつけないクルマで自分の力を示すことは難しかったからね」
そう語ったエリクソンは次のように付け加えた。
「だけど、これからザウバーはアルファロメオと一緒にやることになる。それにより僕にもグリッドのかなり上位を狙うことができるチャンスが訪れるはずだよ」
■ルクレールは手ごわいライバルに
だが、エリクソンは2018年にはまた強力なチームメートを迎えることになる。2016年のGP3、2017年のF2チャンピオンであるモナコ出身ドライバーのルクレールだ。
「シャルル・ルクレールは信じられないほど才能豊かなドライバーだし、今年はF2をほぼ完全に支配していた。来シーズンは彼が僕にとって手ごわい相手となるのは間違いないよ」
フェラーリ所属ドライバーである20歳のルクレールについてそう語ったエリクソンは、次のように付け加えた。
「彼はフェラーリの新たなスーパージュニアでもあるしね。だけど、僕たちは最高のやり方でクルマを開発するために一緒に取り組んでいけると確信しているよ」