ホンダ「世界一のエンジン」になるには?

【マクラーレン・ホンダ】『離婚』しなければならなかった5つの理由・・・海外メディアが分析

2017年09月18日(月)13:55 pm

マクラーレン・ホンダの『離婚』発表がされたF1シンガポールGP。この“離婚”について、マクラーレンの拠点があるイギリスではどのように受け止めているのだろうか。

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『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』は、パフォーマンス、賞金、人事、可能性の消失、屈辱的な威信の喪失・・・マクラーレンの忍耐が限界に達したのも不思議ではないとし、5つの理由を挙げている。

■1:パフォーマンス

マクラーレン・ホンダがF1を支配していた頃から20年以上が経過して再会したが、パフォーマンスは当時のものではなかった。

マクラーレンは、メルセデスやフェラーリと同じパフォーマンスのシャシーを作ったと信じているが、ホンダのエンジンはグリッド上で最も弱いままであり、その差はまだ大きく、さらによくないことに最も信頼性が低い。

フェルナンド・アロンソは開幕前テストで次のように語っていた。「僕たちはパワーユニットだけに問題を抱えている。信頼性もパワーもない」

6ヶ月後、その悪い評価は事実となった。F1イタリアGPはマクラーレン・ホンダにとって今季4回目のダブルリタイアとなったのだ。

ホンダの失敗は、1年目なら許されただろう。しかし3年目は2年目よりも後退してしまった。

F!カナダGPの後、約束通りのアップデートがされず、レーシングディレクターのエリック・ブーリエは「受け入れがたい」と語っていた。

マクラーレンの忍耐はそれほど長く続くものではなかった。

■2:人事

マクラーレンの一番の資産であるフェルナンド・アロンソは、2017年末で契約が終了する。チームは3シーズンも表彰台に上れないことにいらだちを隠せないアロンソを引き止めるために「ミッション・インポッシブル(不可能な任務)」に直面していた。

エリック・ブーリエは「もし競争力がなければ彼は去るだろう」とスペインの『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に語っていた。

ルノーエンジンという“ニンジン”をぶら下げ、アロンソに契約を更新するよう説得に当たっていたようだ。たとえルノーエンジンが2番目に弱いエンジンだとしても、それを搭載するレッドブルは1回の優勝と複数回の表彰台を獲得している。マクラーレンはレッドブルとも戦えるシャシーだと信じているのだ。

そして、マクラーレンの本拠地ウォーキングでは、メルセデスやフェラーリに匹敵するクルマを作るべく、十分な労働力がある。

この劇的な“離婚”というアクションは、2018年もその労働力を無駄にすることはないだろう。そうでもしなければ、マクラーレンは致命傷を克服できなかった可能性もある。

■3:名誉

以前、ロン・デニスは、マクラーレンをプレミアリーグで下位に苦しんでいたマンチェスター・ユナイテッドになぞらえた。20回もワールドチャンピオンを獲得したマクラーレンは、今や最下位争いをしている。

Sky F1のテッド・クラヴィッツは「F1チームだけではなく、マクラーレン・ブランドについても考慮する必要がある。マクラーレンを所有する裕福な人たちは、レーシングチームの成功とリンクしている。フェラーリやメルセデスのAMGではなく、マクラーレンを所有することは、成功を購入するもので、ビジネスにとって不可欠だ」と語っている。

マクラーレンは長期的な目標のためにホンダとの独占供給という大きな賭けをしたが、短期的な目標のためにルノーのカスタマーエンジンに切り替えた。

マクラーレンの最大の失敗は、ホンダとの契約が王者に返り咲くための唯一の方法だというギャンブル的な野望の大きさだ。その野望は今や、名誉、プライド、表彰台という緊急性の高い要望にオーバーテイクされた。

■4:賞金

マクラーレンがホンダと“離婚”できなかった理由として、少なく見積もって年間5000万ポンド(約75億円)という金額だとされてきた。

しかし、その金額はザック・ブラウンに言わせれば「FOMからの賞金とスポンサーシップの喪失の影響を実際に見てみると、ホンダがもたらす商業的利益はあまりない」という。

■5:哲学

マクラーレンとホンダの“結婚”は、チームの絶対的な信念によって支えられていた。ロン・デニスはこのように語っていた。

「エンジンメーカーの尽力がなければ、チャンピオンにはなれない。2番目のエンジンを持っていてはチャンピオンになれないというシンプルな事実を理解できないことが、私にはわからない」

しかし、悲惨な3年間を送ったあと、チームは違う考えを持ち始めた。ザック・ブラウンは6月に「カスタマーエンジンで勝てるかって?勝てるさ」と語っている。

ことが大きくなれば、哲学のUターンは現実的に必要な問題となってくる。マクラーレンは方針を変えなかったばかりに、あまりにも多くのパワー、名誉、賞金を失っている。

マクラーレンが考え方を変えたのは、過去3年間のF1エンジンの変化の欠如だった。F1ハイブリッド時代の当初より、過去3年間に蓄積されたノウハウにより、カスタマーエンジンの不利な点は大幅に軽減されている。

マクラーレンとルノーの提携は、2018年にタイトル争いをする可能性ではなく、同じカスタマーエンジンを使うレッドブルの位置、コンストラクター選手権で少なくても3位を狙うものだ。

最終的には、マクラーレンのホンダへの信仰と忍耐は消え去り、2018年はグリッド後方での戦いではなく、表彰台を争い、うまくいった時には優勝を狙える可能性へと決断した。マクラーレンにとっては簡単な決断だった。

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