現在セバスチャン・ベッテルが2017年のF1ドライバーズタイトル争いのトップに立っているフェラーリだが、チーム内に何やら不穏な動きがあるようだと報じられている。
■ハンガリーで息を吹き返したフェラーリ
第10戦イギリスGPではルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)にトップチェッカーを許し、ポイントリードがわずか1ポイントにまで減っていたベッテルだが、続く第11戦ハンガリーGPではベッテルがハミルトンに並ぶ今季4勝目を達成。ポイントリードもまた14ポイントに広がっている。
ハンガリーではフェラーリが第6戦モナコGPに次ぐ今季2回目の1-2フィニッシュを決めるなど、夏休みを前に再びシーズン序盤の勢いを取り戻してきている。
■フェラーリ内部に権力闘争との報道
だが、最近イタリアのメディアやドイツの『Bild(ビルト)』が報じたところによれば、フェラーリ内部で権力闘争が起きているのだという。
伝えられるところによれば、昨年7月に最高技術責任者(チーフテクニカルオフィサー)に昇格したマッティア・ビノットが、マウリツィオ・アリバベーネに代わってチーム代表の座に就こうと画策しているというのだ。
『Bild(ビルト)』は、アリバベーネの方はそれに対抗するために主要スポンサーであるフィリップモリス社を巻き込みに図ったと伝えている。
アリバベーネはフェラーリに加入する前はフィリップモリスで広告責任者を務めていた人物だ。長年にわたって同社のマルボロブランドによるフェラーリ支援を続け、タバコ広告が禁止されてからもスポンサーを継続しているフィリップモリス社は今でもフェラーリにとって重要な存在となっている。アリバベーネは自分のポジションを守るために、そのフィリップモリスを盾にしようという動きに出たということだ。
■エンジン責任者の突然の左遷が最初の兆候?
ビノットとアリバベーネの権力闘争が表面化した最初の兆候は、フェラーリが数週間前に突然エンジン責任者を務めていたロレンツォ・サッシを市販車部門へ左遷したことだったと報じられている。
こうした報道に関し、これまでのところフェラーリは何のコメントも行っていない。
ともあれ、こうしたうわさが真実かどうかは分からないが、もしも事実であるとすれば、今後のフェラーリのタイトル争いにも少なからず影響が出てくる可能性もありそうだ。