2010年から2013年までセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)を擁してF1タイトル4連覇を達成したレッドブルだが、2014年に現行パワーユニットが導入されて以来、強力なユニット開発に成功したメルセデスAMGの牙城を崩すことができない状況が続いている。
特に、シャシー側のルールが大きく変わった今年はレッドブルに有利なシーズンとなるのではないかと考えられていたものの、いざシーズンが開幕するとパフォーマンスを大きく改善したフェラーリにもついていけず、現時点では3番手チームの座に甘んじている。
■自力で勝てるチャンスは1回か2回
レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコは、F1ハンガリーGPが開催された先週末のハンガロリンクでドイツの『Welt(ヴェルト)』に次のように語った。
「技術的な観点から見れば、シャシーはフェラーリとメルセデスAMGとの比較でも非常に高いレベルにある」
「我々のエンジンパートナーであるルノーも継続的に進歩を遂げている。だから、レッドブルも今年は1レースか2レース自力で勝利をものにすることもできるだろう」
■2021年以降のエンジンルール変更に期待?
だが、2021年には現在とは違うエンジンルールが導入されることになる可能性が高い。これまでに伝えられていることによれば、2021年以降もハイブリッドシステムは継続導入されるものの、熱エネルギー回生装置であるMGU-Hなどは取り除かれ、運動エネルギーのみを回生するKERSと組み合わせたよりシンプルなエンジンとなる可能性もあると言われている。
そして、最近のうわさではフォルクスワーゲン傘下にあるポルシェなども新たなエンジン規定が導入される2021年以降にF1に参戦する可能性があるとも言われており、レッドブルもそうしたメーカーからエンジン供給を受けるための交渉を開始するのではないかとの推測もされている。
■独立系メーカーとのコラボを模索
だが、これについて質問を受けたマルコは、「我々にとって現在もっと重要なのは、アストンマーチン、コスワース、あるいはイリエン(レース用エンジンメーカーであるイルモアの設立者)などの独立系エンジンメーカーと手を組むことだし、彼らと現在交渉を行っているところだ」と語り、次のように付け加えた。
「我々がホンダで目にしているものは、非常に大きな予算や人材を抱えていても、この非常に複雑なエンジンレギュレーションにおいては成功することができないということだ」