最近、またF1公式タイヤサプライヤーであるピレリが供給するF1タイヤに対する不満の声が大きくなってきている。
■硬すぎると不評のピレリF1タイヤ
2015年くらいまでは、ピレリのF1タイヤに対する苦情は、あまりにも急激に性能低下が起こることに対してのものだった。だが、こうした声を受けてピレリは2016年にはより「保守的」なタイヤを導入していた。
そして、昨年までよりも幅が広くなり、よりグリップが高まった今季のタイヤはさらに寿命が延びており、ほとんどのレースを1回ストップで乗り切ることが可能となってきている。
そのため、今季のピレリタイヤはあまりにも硬すぎるとの不満がでてきているというわけだ。
今季の第7戦カナダGPには、5種類あるコンパウンドのうち軟らかい方からの3種類、ウルトラソフト、スーパーソフト、ソフトが持ち込まれていたが、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは、その中のスーパーソフトに言及しながら、「このタイヤなら3レースできたと思うよ」と語っている。
ルノーのニコ・ヒュルケンベルグも同意見だ。
「30周した後でも、まるで新品みたいだよ」
■高すぎる空気圧にも不満が
このことに加え、もうひとつF1ドライバーやチームたちが不満に思っているのは、ピレリがかなり高いタイヤ空気圧値を設定していることだ。高い空気圧のもとではグリップが得にくくなってしまうため、F1チームはピレリに対して現在の設定値をもっと下げるように求めている。
だが、ピレリが高い空気圧設定を行っているのは、数年前に多発したタイヤ破裂事故を防ぐという安全上の目的が一番大きい。そして、最近ではより固い縁石が施されたサーキットが増えていることから、この空気圧低下問題に関してはピレリは消極的な立場をとっている。
■改善策は「メガソフト」の導入?
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、現在のこうした状態を改善するためのひとつの対策として、ピレリは現在のウルトラソフトよりもさらに軟らかいタイヤを2018年に導入するかもしれないと報じている。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、その新タイヤは「メガソフト」と呼ばれることになるかもしれないという。