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フェラーリは勤勉なベッテルに助けられているとメルセデスのボス

2017年06月07日(水)6:15 am

今季のF1チャンピオン争いは6戦を終えた時点でフェラーリのセバスチャン・ベッテルがメルセデスAMGのルイス・ハミルトンに25ポイントの差をつけてトップに立っている。

そしてメルセデスAMGを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、フェラーリがここまで強くなった背景には、ベッテルの仕事への取り組み方が大きな貢献を果たしているのは間違いないと考えている。

■フェラーリに有利だとうわさされる2017年仕様ピレリタイヤ

2014年から2016年まで無敵の強さを誇ったメルセデスAMGだが、今季は明らかにフェラーリの後手に回ってしまっている。メルセデスAMGが力を発揮できていない原因のひとつが、レギュレーション変更によってワイド化されたピレリ製F1タイヤをうまく扱い切れていないことだと言われている。

F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが今年供給しているタイヤは、その性能を最大限に発揮できるウインドウ(範囲)が狭く、メルセデスAMGではそれをうまく引き出せるセットアップに悩まされ続けている。

一方で、フェラーリの方は非常にうまくそのタイヤを使いこなしているため、最近では同じイタリアのフェラーリとピレリが秘密裏に協力しあってあらかじめフェラーリに有利になるタイヤを製造したのではないかとのうわさがささやかれるようになっている。

■タイヤ開発に熱心に協力していたベッテル

だが、ピレリはそうしたうわさに反論し、もしベッテルがうまくタイヤを使えているとしたら、それは彼が昨シーズン中に行われた2017年タイヤ開発テストに惜しみなく協力していたためだろうと説明している。

昨年のピレリの開発テストにはメルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルの3チームに同じ条件でテスト機会が与えられていたが、メルセデスAMGやレッドブルが控えドライバーをそのテストに送り込んだのに対し、フェラーリのベッテルだけが与えられたチャンスをすべて生かして熱心に開発テストに取り組んでいた。その取り組み方の差が今の結果となって表れているのかもしれない。

■勤勉だったベッテルが一歩先に行っているとヴォルフ

その説明を受けて、ヴォルフはドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。

「ドライバーにはそれぞれ自分なりの準備の仕方があるんだ」

「ある者は完ぺきを目指すし、そういう者はき勤勉に仕事をする。一方、中にはもっと自分の直感を頼りにする者もいる」

「セバスチャンは常に熱心に仕事をしてきたし、タイヤを適正な作動ウインドウに持っていく方法についても早くから理解できていたんじゃないかな。我々はこれから追いついていかないとならない」

■セットアップが難しいメルセデス2017年型車

ヴォルフはさらに、メルセデスAMGの今季型車W08にも問題があると認め、次のように続けた。

「うちのクルマはセットアップが難しいんだ。特に、タイヤを最も好ましい状態で使えるようにしようとするときにね」

「だが、我々に足りないものは何かということは分かっているよ」

■ハミルトンのモチベーションは大丈夫?

一方で、この先メルセデスAMGにはもうひとつ足りないものが増えるのではないかと考えている者たちもいるようだ。その足りなくなりそうなものとは、ハミルトンのやる気だ。

すでに25ポイントという差をつけられ、F1カーの性能も現時点ではフェラーリに引けを取っているという状況のもと、ハミルトンが2014年と2015年にF1タイトルを2連覇したときのようなやる気を維持できるかどうかが疑問だというわけだ。

だが、ヴォルフはこうした疑問に対し、次のように主張した。

「それは逆だね。ルイスは問題になるどころか前向きな影響を及ぼしているよ。私は、彼が昨年以上のやる気を抱いていると見ているよ」

「チーム全体として、この点に関して問題を抱えるようなことにはならないよ」とヴォルフは付け加えている。

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