マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、フェルナンド・アロンソが来年以降もチームにとどまるかどうかは分からないと認めた。
F1関係者やファンの多くが、今年3年目を迎えるマクラーレンとホンダの共同プロジェクトがついに大きく花開くことになるだろうと期待していた。
だが、先週スペインのバルセロナで行われた今季最初の公式シーズン前テストにおいて、またもマクラーレン・ホンダにトラブルが多発。今年もまた幸先の悪いスタートを切ることになってしまった。
こうした状況を受け、マクラーレンがついにホンダを見限り、ルノーにパワーユニット供給の可能性に関する交渉を開始したようだとの報道さえ行われている。
■チームには大きな前進が必要だとブーリエ
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』から現在のチーム内の雰囲気はどうかと質問されたブーリエは、「いろいろ話し合いが行われているよ」と答え、次のように続けた。
「今回の最初のテストにはみんな失望している。望んでいたことができなかったからね。我々が求めることをホンダが保証することができるかどうかは私には分からない」
「だが、我々には大きく進歩する必要があるのは間違いない」
■まだ懸念はあるとホンダ
現在マクラーレン・ホンダが抱えている最大の問題が、全面的に設計を見直して投入されたホンダパワーユニットであることは確かだ。
ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介はスペインのテレビ局『Movistar(モビスター)』に次のように語った。
「(テスト初日にトラブルを抱えた)オイルタンクは修正しました。しかし、私が気にかけているのは2日目に起きた問題のほうです」
「それがシーズンのスタートに影響を及ぼすかもしれません。しかし、そうならないことを期待していますし、オーストラリア(開幕戦/26日決勝)には信頼性を示すことができるよう期待しています」
■結果次第ではアロンソキープも困難に
もし、今シーズンもホンダパワーユニットがまともに戦えるものとならなければ、それはチームがアロンソというドライバーを失うことにつながる可能性が高いと考えられている。
絶対的王者として君臨するメルセデスAMGを倒すにはホンダと組むしかないという判断のもとにフェラーリから2015年にマクラーレン・ホンダに移籍したアロンソ。だが、メディアの中にはそのアロンソの選択は明らかに間違っていたと報じているところもある。
■来季もアロンソがチームにいるかどうかは分からない
ブーリエは、ほほ笑みを浮かべながら次のように続けた。
「(2015年シーズン開始から)6か月後には誰もが彼(アロンソ)にとっては悲劇となるだろうし、台無しになるだろうと言っていたよ。だが、それから3年後も彼はまだここにいるよ」
「もちろん、彼は満足などしていない。彼は勝つために戦いたいと思っているのだからね、マクラーレンをそれにふさわしいレベルに引き上げるのは我々にかかっている」
そのアロンソに対してどのように接しているのかと質問されたブーリエは次のように答えている。
「常に真実を語るようにしているし、誤った期待を抱かせないように心掛けている」
「彼は今の状況を正確に理解しているよ」
さらに、アロンソが2018年もマクラーレン・ホンダにとどまることになりそうかと質問されたブーリエは、「そう期待しているが、分からないな」と答え、次のように付け加えた。
「フェルナンドが今でもトップクラスなのは確かだ。彼の今シーズンに向けて行った準備は素晴らしいものだ。彼は多くのドライバーたちにとってのいい見本だし、刺激を与える存在だよ」