マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが、限られたチームのドライバーにしか2017年用タイヤをテストするチャンスが与えられていないのは不公平だと主張した。
■2017年仕様タイヤのテストは3チームが担当
来季はこれまでよりも幅の広いタイヤの供給を行うことになっているF1公式タイヤサプライヤーのピレリだが、年内にフェラーリ、メルセデスAMG、レッドブルの3チームによって合計21日に及ぶ試作品テストを行うことにしており、これまでにすでにフィオラノ、ムジェロ、バルセロナ、ポールリカールといったサーキットでこの3チームが交代でテストを行ってきている。
そして、今週の12日(水)と13日(木)にはメルセデスAMGのニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンがバルセロナでテストを行うことになっている。
この3チームがテストに使うF1カーは今年のものではなく、2015年型車を幅広タイヤ装着用に改造したものだ。
■レギュラードライバーによるテストを希望するピレリ
ドイツの『Bild(ビルト)』によれば、今季のタイトル争いに火花をとばし合っているメルセデスAMGのドライバーたちは、来週末のF1アメリカGP(23日決勝)を控える今週にテストを行うことにはあまり乗り気ではないという。
だが、ピレリとしてはドライバーからの的確なフィードバックが重要だとして、この試作品タイヤテストには控えドライバーやテストドライバーではなく、実際にレースに出ているレギュラードライバーの参加を要請している。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、そのピレリの要請はもっともだとし、「レースドライバーが一番速く走ることができる。だから彼らならピレリを助けることができるが、そういう意味で、ほかのドライバーでは無理だね」と述べている。
■テストチャンスが与えられないドライバーは不利
今週の14日(金)から16日(日)にかけてはレッドブルがアブダビでテストを行うことにしており、アブダビでは11月にもレッドブル、フェラーリ、メルセデスAMGの3チームがテストを行うことになっている。
だが、その3チーム以外のドライバーには、早めに2017年のタイヤの感触をつかむチャンスは与えられない。伝えられるところによれば、ピレリはマクラーレンに対してもテスト参加を要請したものの、マクラーレン側が今季の戦いと、来季用シャシー開発に全力を傾注するためにテスト参加を辞退したのだという。
だが、アロンソは2017年タイヤのテストに参加できるドライバーと、その機会を与えられないドライバーがいるのは不公平だと主張している。
「いくつかのチームは新しいタイヤのテストができて、ほかのチームはできないというのは論理的ではないよ。だけど、それが今行われている」
母国スペインの『AS』にそう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「全員にそのコンパウンドをテストするチャンスが与えられるべきだと思うね」