マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、たとえ相手がF1チャンピオンだろうが、簡単に道を譲るつもりはないと主張した。
●【レース結果】F1第17戦日本GP、タイム差、周、ピット回数
2015年に17歳でF1デビューを飾ったことが大きな話題となったフェルスタッペンだが、しばしばその攻撃的なレーシングスタイルが批判の対象となってきている。そして、先週末に鈴鹿で行われたF1日本GPにおいても、レース終盤にルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に対して見せた強引とも言える防御に対して批判的な意見も出てきている。
■レース後に正式抗議していたメルセデスAMG
日本GP決勝で2番手を走行していたフェルスタッペンだが、終盤にはハミルトンの猛追を受ける。そして、シケインでフェルスタッペンがアウト側のラインをとろうとしたときに、ハミルトンがすかさずそのインに入ろうとする。だが、ここでフェルスタッペンが再びインにステアリングを切ってハミルトンの進路をふさぎ、それをかわそうとしたハミルトンはシケインでオーバーランしてしまい、そのまま逆転のチャンスを失っていた。
メルセデスAMGでは、このときのフェルスタッペンの防御はルールに違反するものだとしてレース後に統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に正式な抗議を行っていた。だが、その後メルセデスAMGはこれを取り下げている。
■フェルスタッペンの力を称賛するレッドブル首脳
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコはこの件に関し、オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように語った。
「19歳にして、マックスはすでに3度F1王座についたチャンピオンを抑えこむことができるんだ。それに、あのとき(フェルスタッペンが)履いていたタイヤは5周分も古いものだった」
■十分な間隔はあったとフェルスタッペン
フェルスタッペンも、たとえ相手がF1タイトル争いをしているドライバーであっても「簡単にドアを開けて、追い抜いてくださいなんて言うつもりはないよ」と語り、さらに次のように付け加えた。
「もちろん、僕には彼(ハミルトン)の動きが見えていたよ。だから僕はドアを閉めたんだ。彼はまだかなり後ろにいたし、僕がどういう動きをしているのかも十分に見えていたと思うよ」
マルコは、スイスの『Blick(ブリック)』に対しても、「あと残り2周になったところで、マックスは方向指示器を出したりなどしないよ」と語っている。
FIAも今回のフェルスタッペンの防御行動について審議対象とすることはなかった。だが、FIAのF1競技委員長を務めるチャーリー・ホワイティングは、内々に話をするためにレース後にフェルスタッペンを探していたようだと伝えられている。