ルノーが来週末に行われるF1モナコGP(29日決勝)に新スペックパワーユニットを投入するかもしれないと報じられている。
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■フェルスタッペンの優勝で示されたルノーPUの進歩
前戦スペインGPではレッドブルに昇格したばかりのマックス・フェルスタッペンが見事に初優勝を飾る活躍をみせた。今年レッドブルが搭載しているルノー製パワーユニットは公式には「タグ・ホイヤー」という登録名となっているものの、今回のフェルスタッペンの優勝にはルノーのアンバサダーを務める元F1ドライバーのアラン・プロストも喜びを隠そうとはしなかった。
「この勝利はルノーにとっても重要なものだった。これによってエンジン担当者たちが正しい道を歩んでいることが確認されたからだ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったプロストは、次のように付け加えた。
「ルノーは冬の間に大きな進歩を遂げた。それと同じような進歩を果たした次の段階(のエンジン)が来れば、レッドブルは強力なパッケージを手にすることになるだろう」
■テスト結果次第ではモナコGP投入も
ルノーの新スペックパワーユニットは、伝えられるところによればこれまでのものより35馬力ほど向上したものになり、それによって1周あたりコンマ5秒ほど短縮することができるようになるだろうと言われている。
本来、ルノーではこの新スペックパワーユニットをカナダGP(6月12日決勝)で投入することを予定していると言われていたが、すでに17日(火)と18日(水)の2日間にわたってバルセロナで行われているシーズン内テストにおいて実走テストが行われている。
そして、その結果次第では、予定を前倒しして来週末のモナコGPでこの新スペックパワーユニットを投入する可能性も高くなってきているようだ。
■投入には慎重を期したいとルノー首脳
だが、その可能性について質問を受けたルノーのシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は、次のように答えた。
「テストを終えた時点で必要とするすべてのデータがそろっていれば、それ(モナコでの投入)を検討することになるだろう」
「だが、昨年の経験から、あまり性急に事を進めるべきではないことも学んでいる。仮にレッドブルが明日できることは明日やるべきだと考えているとしてもね」
レッドブルでは、自分たちのシャシーがモナコGPの舞台となるモンテカルロ市街地サーキットでは強さを発揮できるはずだと考えている。だが、アビテブールはモナコには必ずしもパフォーマンス改善を施したパワーユニットを投入する必要はないのではないかとも見ている。
「モンテカルロはエンジンパワーがそれほど大きな役割を果たすサーキットではない。だから、我々としては少しでも不安なことがあればそれを解決するために(投入を)待つつもりでいるよ」
■前倒し投入を歓迎するレッドブル
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ルノーに圧力をかけるつもりはないものの、モナコからパワーアップを図ることができればそれにこしたことはないと次のように語った。
「それはルノーが決めることだ。だが、もしモナコで我々をさらに強めてくれるもの(パワーユニット)があるのなら、我々は喜んでそれを搭載するよ」
「この改良版が約束通りのものであれば、我々はフェラーリに対して大きなプレッシャーをかけることができるだろうね」