2017年に予定されている新ルールの導入に反対するメルセデスAMGの姿勢について、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコが批判している。
F1はスピードアップを目指して2017年に車両規格とタイヤサイズの変更を予定しているが、これに対して先頭に立って反対しているのがメルセデスAMGビジネス部門のエグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフだ。
■ルールを変更しないほうが力が接近する
ヴォルフは、ルールを変更しないほうがチーム間の力が接近すると訴えている。
「レギュレーションを一定に保つ期間が長いほど、全員のパフォーマンスが接近する。現在、まさにそれが起きている」
「エンジンは接近している。チームも接近している。われわれの進歩はカーブが頭打ちになって小さくなっているのに対して、ほかはより大きく前進している。従って、理想的な状況にあり、素晴らしいレースが実現していると思う」
■序盤3戦が面白かったのはラッキーだっただけ
しかし、マルコは違う考えだ。マルコは序盤の3戦を振り返って、ドイツの『motorsport-magazin.com』に次のように話している。
「非常に良いレースを見られて、とてもラッキーだった」
「だが、通常のレースは一つもなかった」
「どのレースでも、後方にいるはずのないドライバーが後方から上がってきていた」
■ルール変更に反対なのはメルセデスAMGだけだとマルコ
また、メルセデスAMGだけでなく多くのチームもルール変更に反対しているという見方にもマルコは異論を唱えている。
「トトと、エンジン供給契約のために彼に従わなければならないチームを除けば、全員が賛成している」
「(フェラーリ会長)セルジオ・マルキオンネも確信している」
「エンジンでもシャシーでもほんの小さなことを変えただけで、メルセデスAMGがその優位性を失うのではないかと被害妄想的な不安を抱えているのはヴォルフ氏だけだよ。トト・ヴォルフは、どんな変更も阻止しようとあらゆる手を使っている」
しかし、2017年のルール変更が今さら廃案になることはないとマルコは話している。