先週末に行われたF1オーストラリアGP決勝で大クラッシュを演じたものの、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)は自力でクルマから降りてしっかりとした足取りで現場を離れることができていた。
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■エンジンとギアボックスも無事
事故後、アロンソはこれでエンジンを1基失ってしまうことになっただろうと語っていた。だが、このほど原形をとどめないほどに大破したアロンソのマクラーレン・ホンダMP4-31に積まれていたホンダエンジンやギアボックスが再利用可能な状態であったことが明らかとなった。
スペインの『Marca(マルカ)』は、今回の事故によってアロンソのクルマが受けた損害はおよそ30万ユーロ(約3,800万円)に及ぶだろうと見積もっている。
時速300kmでエステバン・グティエレス(ハース)と接触し、グラベルに数回打ち付けられながらバリアに突っ込んだアロンソのクルマは、一見完全に破壊されたように見えた。アロンソも事故後、これでエンジンを1基失うことになるだろうとコメントしていた。
■大きな損傷はサスペンション固定部だけ
だが、『Marca(マルカ)』によれば、カーボンファイバーが粉々になってしまったアロンソのMP4-31だが、唯一甚大な損傷を負ったのはシャシーとサスペンションを固定していた部分だったという。そして、シャシーも修復を行うことで、今シーズン終盤にはまた使用可能な状態となるだろうとしている。
さらに、『Marca(マルカ)』は、あれほどの事故ながら、エンジンとギアボックスも命拾いしたと付け加えている。
今年もエンジンを始めとするパワーユニットコンポーネントやギアボックスに関しては厳しい使用数制限が設けられているだけに、これが事実であればアロンソにとっていいニュースであることは間違いないだろう。
■ライコネンのフェラーリもエンジン本体は無傷
一方、オーストラリアGP決勝でエアインテークから炎を上げていたキミ・ライコネンのフェラーリマシンだが、そこに搭載されていたフェラーリエンジン本体もどうやら無事だったようだ。
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』誌によれば、あのときはライコネンのクルマのターボにオーバーヒートによるトラブルが発生していたようだ。
フェラーリのチーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、次のように語っている。
「テレメトリー(無線によりクルマの状態を把握するシステム)により、パワーユニットに問題が発生したことが分かった。あのとき、キミをピットに戻すよりは、そのまますぐにスイッチを切るよう伝えていたほうがよかったと思う」