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マクラーレン・ホンダは車体も大幅改良を シンガポールGPの各チーム戦略

2015年09月22日(火)6:14 am

シンガポールGPでは最強メルセデスAMGの苦戦と、フェラーリやレッドブルの活躍が目立ったが、最高速度の一覧を見ると、各チームの戦略や状況が見えてくる。

■【レース結果】F1シンガポールGPの順位

■予選
まず一発のタイムを狙う予選だが、各チーム最速タイムを狙うため、タイヤもパワーユニットもセーブすることなく、コーナリング重視かストレート重視かが見えてきやすい。

パワーユニットが優れているメルセデス勢は、コーナリング重視でセッティングしてもストレートでは優位に立てるメリットがある。

メルセデス勢以外の予選最高速度トップ10を見てみると、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが319km/5位、ザウバー・フェラーリのマーカス・エリクソンが318km/7位に食い込むのがやっとで、キミ・ライコネン(フェラーリ)は317km/11位だった。予選最高速度トップは321kmのフェリペ・マッサ(ウィリアムズ・メルセデス)となっている。

ルノー勢の予選は、トロロッソのマックス・フェルスタッペンが312km/13位が最高順位で、予選2番手のタイムを叩きだしたダニエル・リカルド(レッドブル)はなんと309km/18位。これは型落ちのフェラーリ・パワーユニットを使うマノー・マルシャの前なので、実質は最も遅い最高速度だったにも関わらず、予選で素晴らしいタイムを出しての2番手だった。

■【予選最速スピード】ホンダはルノー超え。ルノー勢はスピード不足も、リカルド予選2位

■決勝レース
決勝では、最速タイムを出すよりも、前後のマシンとの駆け引きで順位を上げることが重要なので、安全な状況にいる場合は最高スピードは抑え気味になる。
タイヤやパワーユニット、ギアボックスなどを温存したり、アクセルを早めに離してパワーユニットにエネルギー回生をさせるなど、上位陣は速度を落としている。

最強メルセデスAMGがタイヤのグリップ感を感じられないと週末中ずっと苦戦していたが、ハミルトンは予選5番手で最高速度は320km/3位、リタイアした決勝では302km/15位となっている。ロズベルグは予選6番手で最高速度321km/2位だったが、4位に入った決勝レースでは307km/12位だったことから、決勝ではかなり最高速度を抑えた戦略なのがわかる。

フェラーリは、セバスチャン・ベッテルの予選ポール獲得時の最高速度は319km/5位、優勝した決勝レースでは303km/14位で、レースをうまくコントロールしていたのがわかる。

予選も決勝も2位だったレッドブルのダニエル・リカルドは、予選の最高速度は309km/18位、決勝レースの最高速度は302km/16位となっており、マシンバランスの良さが際立った。もしうわさの『レッドブル・フェラーリ』だったら、本家フェラーリをかなり追いつめただろう。

■【レース最高スピード】ホンダのシンガポールGP決勝レース最高速度は?

■【レース最速タイム】ホンダのレース最速タイムは?

■マクラーレン・ホンダのシンガポールGPと今後
低速のコースのためポイント獲得も期待されていたマクラーレン・ホンダだったが、2台ともリタイアとなった。

アロンソは予選12番手312km/14位、リタイアした決勝は295km/18位。バトンは予選15番手310km/17位、リタイアとなった決勝は300km/17位と最高速度でも苦戦しているが、予選・決勝とも2位のリカルドが最高速度で遅かったことから、ホンダ・パワーユニットだけの問題ではなくマクラーレンの車体側も大きな問題を抱えているのがはっきりわかる。

ホンダとルノーのパワーユニットは、メルセデスやフェラーリとパワー差は大きいが、市街地コースのシンガポールGPでレッドブル・ルノーとマクラーレン・ホンダの予選タイム差は1.9秒もあることから、アロンソやバトンが言うように、マクラーレン・ホンダが上位争いするには、車体側、パワーユニット側ともにさらなる大幅な改良が必要なようだ。

もしマクラーレンの車体が良ければ、表彰台も狙えるのはレッドブルが証明している。

■ランキング9位、下から2番目という厳しい現実
F1日本GP前のコンストラクター(チーム)ポイントランキングでは、最下位マノー・マルシャのひとつ上という厳しい現実のマクラーレン・ホンダ。正常進化では、ライバルに追いつけない。両チャンピオンの引退や移籍がうわさされているが、かつての名門チーム復活への魔法は、いつ見つかるのだろうか。

【関連】
■F1コンストラクター(チーム)ポイントランキング

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