F1最高責任者であるバーニー・エクレストンが、今週末のF1ベルギーGP(23日決勝)から施行されるレーススタート時の新ルールは、F1を正しい方向へ戻すための第一歩だと主張している。
新しいルールでは、これまでのようにチームが無線を通じてドライバーにレーススタート時のセッティングを指導することが禁止となる。
ドライバーたちはこれまで、チームから伝えられた情報を元にエンジンやクラッチの調整を行い、最適なスタートを切ることができるようにしていた。だが、今後は自分の判断によってスタートに対応することが求められるわけだ。
メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは、今回のルール変更について「エンターテインメントのために、少しだけ技術的に後退させようとしているんだ」と説明している。
だが、シーズンの途中で今回のようなルール変更が行われることに戸惑い、不満を述べるチームや関係者も少なくない。
現在のF1カーは非常に精密なセッティングが必要になっており、そのための助言をドライバーに行うことを禁止するのは、場合によっては危険を伴う可能性すらあるという意見もある。
だが、エクレストンは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に対し、次のように主張した。
「今のF1が、訓練された猿を乗せてリモートコントロールで走るクルマのレースだと見なされているのはエンジニアたちの失敗によるものだ」
そう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「新しいスタート手順は、正しい方向に向けて逆戻りする最初の一歩なんだ」