欧州委員会がF1の調査に乗り出す可能性が高まってきているかもしれない。
これまで、財政難に苦しむ小規模F1チームたちが現在のF1の収益分配システムや、有力チームのみで構成されるストラテジー・グループにおいてF1に関する意思決定が行われることは不公平であるとの懸念を表していることはよく知られている。
だが、欧州競争法を管轄する欧州委員会は6月に、正式な訴えが提出されなければ実際にF1の調査を進めることはないだろうとの見解を示していた。
『Financial Times(フィナンシャル・タイムズ)』はそのとき、恐らくはフォース・インディア、ザウバー、そしてロータスであると考えられる小規模チームたちが、正式に訴えを起こすことを検討していると伝えていた。
そうした小規模チームたちに、正式な訴えを起こすよう強く働きかけているのがイギリスの女性政治家であるアナリース・ドッズだ。ドッズは、昨年経営破たんに陥ったマルシャやケータハムが本拠地としていたイギリス南東地区を活動の拠点としている。
そして、このほどドッズがシルバーストンにあるフォース・インディア本部を訪問したことが明らかとなった。
フォース・インディアのチーム副代表を務めるロバート・ファーンリーは、これまでにも再三にわたってF1における不公平なシステムに対する批判を行ってきており、内部関係者の間では、もし欧州委員会による調査を実際に求めるチームがあるとすれば、それはフォース・インディアだろうとささやかれている。
フォース・インディアへの訪問を終えたドッズは、次のように語った。
「マルシャとケータハムが経営破たんに陥って以来、私はF1で起こっている状況に関して本当に懸念を感じていました」
ドッズは、ブリュッセルにある欧州委員会本部に対して「何度も」この問題を提起し、「競争法に抵触する可能性がないかを調査する」よう働きかけていたことを明らかにするとともに、次のように付け加えた。
「委員会の責任者は、私に対してはっきりと、チームたち自身が正式な訴えを出さない限り何もすることができないと語っていました。ですから、もしチームたちがそうすることが正しいと感じているのであれば、そうすべきなのです」