19日(金)に開幕したF1第8戦オーストリアGP。ドライバーズとコンストラクターズ両選手権をリードするメルセデスAMGだが、「油断」は禁物だとトト・ヴォルフは言う。
過去7戦で星を落としたのは第2戦マレーシアGPのみ。前戦カナダGPでは、パワーユニットに改良を施したフェラーリを退けて悠々1-2フィニッシュを決めた。
今週末のオーストリアGP、舞台は「パワーサーキット」のレッドブルリンクだ。メルセデスAMGの楽勝と思われても仕方ないが、それは違うとヴォルフ。
「事実、楽に勝てるなんてことは絶対にない」
フェラーリは単に改良型エンジンの性能をフルに生かしきれなかっただけ、それが、カナダでヴォルフが抱いた印象だ。ヴォルフは次のように宣言する。「戦いは決して終わっていない」
ヴォルフは地元紙『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』に次のように話す。「昨年のオーストリアGPは、いちばん苦戦した」。確かに予選は同じメルセデス・エンジンを積むウィリアムズが最前列を独占した。
決勝こそニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が制したが、2015年も、19日(金)のフリー走行から混戦気味だ。「われわれが勝って当たり前と思われている。プレッシャーは大きい」
「一瞬でも気を抜けば、たちまち転んでしまう。今後、アドバンテージはあって無いようなものだ」
そんなヴォルフも、母国オーストリアに帰れて嬉しそうだ。
「牧草と山々に囲まれたシュタイアーマルク(オーストリア南西部)でF1なんて、まるで天国じゃないか。ニキ(ラウダ)と私の母国レースだよ。加えてレッドブルもね」と言ってほほ笑むヴォルフ。
「ここで好結果を上げられたら最高だ」「どのレースも、もらえるポイントは同じだけれどね」
第6戦モナコGPの失望を克服、翌カナダGPに勝って本来の調子を取り戻したかに見えるルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。しかし、同僚のニコ・ロズベルグも侮れない。
「実際に(二人の)差は100分の1秒、場合によっては1000分の1秒の位だ」
「ルイスはすごくいいドライバーだ。しかし、ニコを従えてレースをコントロールしているように見えても、彼(ロズベルグ)は再び食らいついてくる。強い意志の持ち主なんだよ、彼は」