フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長が、今季フェラーリがメルセデスAMGに挑戦できるなどという幻想を抱いたことは一度もないと語った。
今季、昨年まで在籍していたフェルナンド・アロンソ(現マクラーレン)の後任として4年連続F1チャンピオンのセバスチャン・ベッテルを迎えたフェラーリ。そのベッテルが第2戦マレーシアGPで早々と優勝してみせたことで、今季はフェラーリが昨年のチャンピオンチームであるメルセデスAMGと対等に戦えるのではないかとの期待の声も上がっていた。
だが、第3戦以降は常にメルセデスAMGが表彰台の中央を確保している。
先週末に行われたカナダGPには、パフォーマンスを改善した新エンジンを投入することで、メルセデスAMGとの差がこれまでよりも縮まるのではないかと期待されていたフェラーリ。
だが、ベッテルがトラブルのために予選Q1で敗退するという波乱や、ライコネンのレース中のスピンもあり、開幕以来続いていたフェラーリの連続表彰台獲得も途切れてしまうという期待外れの結果に終わってしまっていた。
一方で、メルセデスAMGは今季4度目となる1-2フィニッシュを決め、揺るがぬ強さを示してみせた。
だが、マルキオンネは、スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に対し、カナダGPの結果に関しては驚きでも何でもないと次のように主張した。
「そんなことは分かっていたことだ。私はこのことについて以前チームと長時間にわたって話し合いをしていたんだ。メルセデスAMGとのギャップはまだ大きいし、彼らだってこのまま立ち止まっていてはくれないだろうとね」
「そして、まさにそれがここ(カナダ)で示されたということだ」
イタリア生まれで、現在はカナダの国籍も有するマルキオンネは、フェラーリ会長就任以来初めてF1レースの現場にその姿を見せていた。
昨年の10月に前会長ルカ・ディ・モンテゼモーロに代わってフェラーリの総帥に就任したマルキオンネは、そこからチーム体制の抜本的な見直しに着手している。そして、今シーズン中もさらにクルマの改善に努めていくと次のように付け加えた。
「我々は、このクルマが本来抱えていた問題を解消し続けるために多くの時間を費やしているよ」