先週末のF1カナダGPでは、メルセデスAMG勢が1-2フィニッシュを決め、揺るがぬ強さを示して終わった。
【結果】F1カナダGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
だが、メルセデスAMGでは、モントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットでは最大のライバルであるフェラーリがその本当の実力を発揮していなかっただけではないかと考えている。
事実、予選でのトラブルやペナルティーによって18番手からスタートしたセバスチャン・ベッテルだったが、最終的には5位にまで順位をばん回。そして、3番グリッドからスタートしたキミ・ライコネンも、痛恨のスピンを喫するまでは3位表彰台が確実なポジションを走行していた。
こうしたことを考慮に入れれば、レース結果だけから単純にフェラーリの実力を評価するわけにはいかないかもしれない。
現在、ドライバーランキングの首位を走るルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)も、今季のF1タイトル争いはすでにハミルトンとチームメートのニコ・ロズベルグの2人に限られたという見方に対して否定的だ。
「そういう結論を導きだすのは、まだ不可能だと言うべきだね」
そう語ったハミルトンは、次のように続けた。
「セバスチャンは(戦える位置に)いなかったし、今季はここまでセバスチャンのほうが(ライコネンより)速かった。だから、フェラーリの本当のペースを確かめることはできていないんだ」
ヴォルフも同意見だ。
「金曜日には、フェラーリが大きな進歩を遂げてきたことに気付いていた。だから、土曜日にトラブルを抱えてしまったことで、彼らがその後は本当の実力を示すことができなかったのだと思っている」
ヴォルフはそう語ると、次のように結んだ。
「その答えはオーストリア(21日決勝)で分かることになると思うよ」